エリート亮介の嫁探し Vol.7

エリート男もタジタジ!?魔性の元カノに言われて気づいた、高学歴ゆえの致命的な欠点とは

エリートとはフランス語のéliteが由来で、「選び抜かれた人」という意味だ。

日本で言われる“エリート”とは、学歴が高く且つ年収の高い男性を指す場合が多い。

東京大学出身、その後大学院を経て世界的IT企業のアメリカ本社への転職が決まっている亮介は、まさに世に言う”エリート”。

そんな亮介が、日本に一時帰国している半年の間に、日本での婚活を決意する。

しかし、亮介の婚活はなかなか苦戦を強いられた。

綾乃、そして亮介が良いと思った香奈。結局全員、亮介の理想とは異なった。

失意の中、昔のバイト仲間の健太から連絡が。待ち合わせた店に行ってみると、そこには見覚えのある女性がいた。


「・・・一ノ瀬さん・・・?」

とっさに「里緒」と口を衝いて出そうになったが、なんとか堪えて苗字を呼んだ。

「あれ・・・?亮介君・・・?」

彼女の名前は、一ノ瀬里緒。亮介より3歳年上で、ずっと会いたくて、そして、会いたくなかった“元カノ”である。

里緒とは、大学3年生の時にアルバイトしていた、小さなシステム開発会社で出会った。

世の中の急速なIT化に伴い、情報システム構築の需要が増しており、亮介はその会社にアルバイトとして雇われたのだ。里緒はその会社の社員だった。

誰もが認める美貌だけでなく、仕事に真摯に取り組む姿や大人な気遣いに亮介はすぐに惹かれ、しばらくして付き合うことになった。

「そうそう、さっき亮介にも声かけたんだ。」

そう言って悪気なく笑う健太は、亮介よりも2ヶ月ほど早くその会社でアルバイトとして働いており、同い年とあって、当時はよく遊んだ仲だった。

しかし、アルバイトと社員が付き合うのは体裁が悪いと、健太にも里緒との交際は内緒にしていた。


ーまさか、こんな形で里緒と再会することになるなんて。


「今日さ、渋谷を歩いてたら偶然一ノ瀬さんを見つけて、思わず声をかけたんだ。で、亮介も来られたらと思って。」

健太の”いい奴オーラ”を放った笑顔に拍子抜けしながら、何とか平静を装って席についた。

「健太は相変わらず元気そうだな。一ノ瀬さんも、お久しぶりです。」

「うわー、久しぶりだね!何年ぶりだろう?すっかり大人の男性になったね。」

亮介とは裏腹に、何事もないかのように話す里緒を見て、少しだけ寂しい気持ちになった。

ー彼女の中では僕はすっかり、ただの昔の男だな。

亮介は昔の恋を引きずるタイプではない。が、里緒だけは違った。”スペック重視じゃない女性”を探すきっかけを作った女性だったからだ。

「そんなに変わったかな?一ノ瀬さんは相変わらず・・・綺麗なままですね。」

それは本音だった。昔から通り過ぎる人が振り返るほどの美人だったが、さらに大人の艶っぽさが増して、クラっとくるほど美しい。

「ふふ、そんなことをさらっと言えるようになるなんて、海外帰りは違うわね。」

里緒はそう言って、健太と一緒になっていたずらっぽく笑った。

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