結婚願望のない男 Vol.22

結婚願望のない男 最終回:婚活の最重要事項。女が見極めるべきは、男が口にできぬ本音

私の大好きな彼氏には、結婚願望がない。

それを知ったのは、30歳の誕生日。順調な交際を2年も過ごした後だった。

東大卒のイケメン弁護士・吾郎との「結婚」というゴールを、疑うことのなかった英里。彼が結婚願望ゼロと知った日から、不安と焦りが爆発。

吾郎との破局を迎えた英里は、傷心を乗り越え、結婚願望のある男・きんちゃんと、結婚を決意しつつある。しかし、そんな英里の前に吾郎が現れ、まさかのプロポーズをされてしまった。

きんちゃん吾郎、それぞれの想いが錯綜する中、英里の出した結論は…?


「......英里、俺と結婚しよう」

想像をはるかに上回る吾郎の発言に、英里はただ耳を疑った。

「......私のこと、また、からかってるの...?」

英里がやっと発した一言は、小さくかすれてしまった。抱きしめられた腕を振りほどこうとするが、吾郎の力は思ったよりも強い。

「からかってない。本気だ」

「......なんで、急にそんなこと言うのよ...?」

この状況が、信じられなかった。頭は混乱し、声が震えてしまう。

「時間はかかったが、今、結論が出た。俺は、お前を他の男に渡したくない」

自己中心的な吾郎の言葉に反発を覚えつつも、英里は反射的に、胸が小さく疼くのを感じる。

なぜ今このタイミングで、こんなことが起こるのか。状況的に、英里はもう後戻りのできないところまで来ているのだ。

「私、もうきんちゃんと同棲してるのよ......」

「じゃあ、うちに来い。俺はもう覚悟を決めた。だから、待ってる。あとはお前次第だ」

「お前次第......?なによ、いつも勝手なことばっかり言わないでよ!私は......!」

英里が抗議をしようと顔を上げたとき、吾郎の肩越しに、こちらを見つめる人物の姿が目に入った。

「き、きんちゃん......」

全身の血の気が、さっと引くのを感じた。

薄暗くなった仲通りの反対側に、スーツ姿のきんちゃんが、呆然と立ち尽くしていた。

【結婚願望のない男】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo