結婚願望のない男 Vol.3

「結婚したくない理由は3つある。」30歳の誕生日を迎えた彼女に、エリート彼氏が突きつけた現実

私の大好きな彼氏には、結婚願望がない。

それを知ったのは、30歳の誕生日。順調な交際を2年も過ごした後だった。

東大卒のイケメン弁護士・吾郎との「結婚」というゴールを、疑うことのなかった英里。彼が結婚願望ゼロと知った日から、薔薇色と信じていた人生は一気に転落。結婚への不安と焦りが爆発する。

結婚を「幸せ」と信じて疑わない英里。結婚願望のない男を、振り向かせることはできるのか?


「ハッキリ言おう。俺には、結婚願望はない」

吾郎がそう言い切ったとき、英里は現状を上手く飲み込めず、ただ混乱した。

もともと自信満々でSっ気のある吾郎ではあるが、今の彼には、恋人への甘さなどは一切感じられない。彼はこれまで見たこともない冷徹な表情で、英里を睨みつけている。

「......ど、どうして......?」

眩暈がしそうになるのを堪え、抜け殻のようになりながらも、英里はやっと一言発した。

今にも壊れそうなくらいに張り詰めた緊張感、自分に対する嫌悪感を微塵も隠さずに向ける最愛の恋人。つい数分前まで最高の誕生日を過ごしていたなんて、嘘みたいだった。

一体、何が起こったのか。

「俺は、結婚なんていう制度にそもそも反対だ。それに、安易に結婚したがる女も、大っ嫌いだ」

吾郎が吐き捨てるように言ったとき、英里はとうとう我慢できずに、目からポロポロと涙がこぼれた。しかし、彼はそんな英里に動揺する様子も一切ない。

吾郎はアマンの浴衣姿で、ベッドから窓辺のソファに移動し、ミネラルウォーターをごくごくと飲み干して続けた。

「理由は、三つある」

彼の背景には、東京の夜景が、哀しいほど美しく広がっていた。

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