結婚願望のない男 Vol.19

フラれても傷つけられても、大好きだった。元彼への復讐心が招いた思わぬ誤算

私の大好きな彼氏には、結婚願望がない。

それを知ったのは、30歳の誕生日。順調な交際を2年も過ごした後だった。

東大卒のイケメン弁護士・吾郎との「結婚」というゴールを、疑うことのなかった英里。彼が結婚願望ゼロと知った日から、不安と焦りが爆発。

吾郎との破局を迎えた英里は、傷心を乗り越え、結婚願望のある男・きんちゃんと、結婚を決意しつつある。そんな英里の前に、吾郎の妹が現れた。


「お兄ちゃんを、見捨てないであげて!」

―吾郎くんの、妹......?

背後から吾郎の妹だと名乗った女を、英里は恐る恐る振り返る。

吾郎の新しい恋人だと思い込んでいたため、なかなか直視することができなかった美女。しかしよく見れば、整った顔立ちや骨格、特に綺麗な唇の形が、吾郎によく似ていた。

「妹さんが、どうして......?」

「私、英里さんと別れてから落ち込んでる兄を、放っておけなくて...。兄が頑固で屁理屈なのは、私もよく理解してます。でも英里さんのことは、兄なりに本当に大切に想ってるんです。だから......!」

「ちょっと、勘違いしないでください。私は、吾郎くんにフラれたんですよ?見捨てるなんて言い方されても、困ります......!」

英里は、瑠璃子の突然の発言に動揺しながらも、なんとか気丈に答えた。

きんちゃんとの結婚話も順調に進みつつある中、どうして今さら吾郎の妹に引き留められなければならないのか。

「兄は、英里さんのことを忘れていません。英里さんは、もう本当に兄のこと忘れたんですか......?」

しかし英里は、この質問にはっきりと答えることが、どうしてもできなかった。

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