
~ディープラーニングでGoogleに勝つ。起業の醍醐味は、小さな組織が大きな組織に勝つこと~
理系ベンチャーが活躍できる社会を目指す
金丸:最後にもう一度、全国の理系諸君に起業を呼びかけてもらえませんか。日本ではプログラムを書けない人が、ウェブサービスの会社を立ち上げることがよくありますが、シリコンバレーでは、起業家のほとんどが理系の技術者なので。
西川:確かに。理系出身者にもっとチャレンジしてほしいですよね。
金丸:かつて日本には、ソニーの井深大さんや盛田昭夫さん、それにホンダの本田宗一郎さんのように、世界で活躍した理系の創業者がたくさんいました。しかし、そこからしばらく空白期間ができてしまっています。もっと理系が頑張らなきゃいけないのに、技術者は〝アキバ系〞や〝オタク〞のように扱われ、生涯賃金も理系が文系を下回っている。そんな国って、世界的に見ても珍しいんですよ。
西川:起業の醍醐味は、小さな組織が大きな組織に勝てる、ということではないでしょうか。それを可能にするのは、作戦や戦略です。弊社のメンバーにはプログラミングコンテストで、中国やロシアのチームを破った人もいます。やみくもに時間を費やすのではなく、どうやってチームを鍛えていくのか、どうやって課題に取り組むのか、その作戦や戦略を間違えなければ、番狂わせを起こすことができるんです。
金丸:もともとマイクロソフトだって、グーグルだって、ものすごい小さいところから始まってますからね。
西川:目の前にノートパソコンが1台あれば、誰でも起業のチャンスはあるし、世界で戦えるんです。
金丸:西川さんにみたいに、始まりは壊れた中古のパソコンでいい。そこから未来を切り拓いていったというのは、本当にすごいことですよ。西川さんの話に励まされる理系の人は少なくないはずです。日本を担っていく若手起業家として、今後も期待しています。今日は貴重なお時間をありがとうございました。