有名企業の役員も御用達! 接待を成功に導くレストラン5選

仕事ができる人は使えるレストランを知っている。いま注目の企業の経営者が、ここぞというときの会食に使うレストランを紹介。


『料亭 三長』 一見さんお断りのサプライズ空間

神泉

薬用シャンプーのスカルプDで知られるアンファーで執行役員を務める臺智紀さんは、基本的に営業畑を歩いてきた。したがって、会食をセッティングする機会も多い。そんな時、臺さんが重視するのは「驚きがあること」だという。

「料理がおいしいことも雰囲気や店の造りがいいことも大事ですが、私の経験ではどこかしらに驚きがあると会話が弾むようです」

臺さんが都内でも屈指のサプライズを与えてくれる店だと太鼓判を押すのが、渋谷の料亭三長だ。まず、繁華街の真ん中という立地がサプライズだ。一歩足を踏み入れると、歴史の重みを感じさせる和の空間に圧倒される。

「僕は料理もほとんどお任せでお願いしているので、刺身が出るのか鍋がいただけるのか、そこにもサプライズがあります」

ちなみにこちらは紹介者がいないと予約ができない。

「紹介してくださった方と初めて行った時に、感激してその場で予定も決まっていないのに先の予約を入れてしまいました。以来、通っています」

と臺さんは振り返る。一見さんお断りの店で常連になるには、紹介者と一緒の時に予約する“臺さん方式”がよさそうだ。

HIROSHI SAKURAI 1950年生まれ。実父の急逝を受け、34歳で家業の旭酒造を継ぐ。「磨き2割3分(つまり米の77%を削る)」「杜氏制度の廃止」「海外進出」などなど、次々と日本酒業界の常識を覆し、倒産の危機にあった同社を山口県内有数の優良企業に成長させた。


『分とく山』 大将に任せて接待に専念

広尾

獺祭(だっさい)で知られる旭酒造の桜井博志社長は、大事な方をお連れする店の条件として「何より、美味しいということが大前提です」ときっぱり。「まずは味が大事で、それから相手によって立地や雰囲気などを勘案してお店を決めます」

確かに、あの獺祭を造っている桜井さんが連れて行ってくれるのだから美味しい店に違いないと、同行者の期待はふくらむだろう。そして桜井さんは、「和食屋さんなら獺祭がないと困りますね(笑)」と続けた。

「ご一緒させていただく方は社会的地位の高い方がほとんどなので、下手なお店にはお連れできません」と語る桜井さんが全幅の信頼を寄せるのが、広尾の分とく山だ。「本当においしいものを、最高のタイミングで出していただけます。実に間合いがいい」

無駄なことはしゃべらないかわりに、ここぞという時に料理の説明をしてくれる野崎洋光料理長の接客が心地よいことも、桜井さんがこの店を“切り札”にしている理由だ。「すべてを野崎さんに委ねることができるので、僕は相手との会話に専念できます」とのこと。なるほど、仕事の話もスムーズに進みそうだ。

HIROSHI KUMAMOTO 1975年生まれ。家業の電気店の長男として生まれる。自他ともに認める家電好き。大手電機メーカーに就職後、2002年に独立してリアル・フリートを設立、オリジナルブランド“amadana”を立ち上げる。現在、様々な企業やクリエイターと世界へ発信するプロジェクトを多数展開している。


『居酒屋 東京十月』 話がまとまる、ゲンのいい場所

表参道

リアル・フリートは、家電ブランド“amadana”をはじめ、新しいモノづくりのオープンプラットフォームを展開している企業だ。同社の熊本浩志社長の“勝負店”選びが面白い。

「大事な話がある時は、ゲンのいい店に行きます。不思議なことに、ややこしい話がすんなり決まるラッキーな店というのがあるんですね」

熊本さんが特に重要な話を決める時に使うのが、東京十月というワインバー。とりわけアルゼンチンワインの品揃えが豊富で、これを和食に合わせる。立地は、青山・骨董通り沿いのビルの地下1階。階段を下りていくと、フィラメントの灯りが揺れる不思議な空間が現れた。

「ほとんどの方が、まさかここにこんな雰囲気の店があるなんて、とおっしゃいますね。カウンターも好きですが、人に聞かれたくない大事な話がある時は座敷を予約します」

料理は店主の埜田容生さんにお任せすることがほとんど。「ワインバーですけれど2軒目、3軒目というわけではなく、食事を楽しみます」
通っているうちに、熊本さんと埜田さんには共通の知人がたくさんいて驚いたという。やはり、この店と熊本さんには縁があるのだろう。

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