第13話:傷心の女心に染みる、「元彼」の存在。彼は救世主?それとも...?
咄嗟に杏子の頭をよぎったのは、懐かしさよりも、同期の由香のことだった。万一、知樹の口から「由香と付き合うことになった」なんて聞かされたら、自分はまたショックを受けてしまう。杏子は逃げるように、足早に恵比寿ガーデンプレイスを歩き始めた。
「待って!俺、杏子のことが、忘れられないんだ!」
知樹の意外なセリフには驚いたが、杏子の足は、何故か止まらなかった。
第13話の続きはこちら
第14話:元彼との一夜で感じる、至福のひと時。不毛な婚活は、もう、したくない。
―もう、このまま、知樹と一緒にいればいいんだわ。
勢いに任せてしまったという多少の罪悪感はあれど、杏子はやはりホッとしていた。これ以上、不毛な婚活は、しなくていい。もう、したくない。久しぶりに見た知樹の寝顔は平和そのもので、寝息で上下する彼の身体を見ていると、杏子はほんのりと幸福感すら感じ始めていた。
第14話の続きはこちら
第15話:元彼・商社マンから受けた、苦い屈辱。港区の壮絶な婚活事情の実態
「あんなに下心が透けて見える人、絶対に嫌だわ。結局、強引に押せば、女は落ちると思ってるのね。彼が杏子と付き合えたのは、ただのラッキーよね。商社マンなんて、大人しくスッチーとでも付き合ってればいいのに。」
由香のセリフは、鋭いナイフのように、杏子の胸に何度も突き刺さった。杏子は、居たたまれずにオフィスを離れ、丸の内の仲通りに飛び出した。とにかく、外の空気が吸いたかった。
第15話の続きはこちら
第16話:女心に混乱を誘う、浮気男の言い訳。修羅場で垣間見える、男のズルさ
―ねぇ、私たちって、ヨリを戻したんだよね?―
杏子は、知樹に思い切ってラインを送信したが、すでに3時間ほど、既読スルーされていた。「知樹にしてやられた」という怒りが、杏子の心の中で、沸々とドス黒く煮えたぎる。
―まさか、この私が、騙されるなんて...!
第16話の続きはこちら
第17話:無益な関係は、損切りを!婚活の苦難を乗り越え、女は次第に強くなる
もっと厳しく叱られ、ダメ出しを浴びせられると、杏子は覚悟していた。しかし、どうやら直人は本気で自分を心配し、サポートしてくれているようだ。
この戦国時代のような婚活市場で、杏子の味方は、たった一人、直人だけであるような気がした。杏子の頬を、思わず涙が伝う。直人は無言で、スッとハンカチを差し出した。
第17話の続きはこちら
この記事へのコメント
コメントはまだありません。