崖っぷち結婚相談所 Vol.17

崖っぷち結婚相談所:無益な関係は、損切りを!婚活の苦難を乗り越え、女は次第に強くなる

典型的な結婚できない女、杏子、32歳。

慶應大学卒業後、丸の内の某外資系金融でセールス職に就き、年収は2,000万円を優に超える。

美人だがプライドが高くワガママな彼女は、男運が悪く全くモテない。さらにハイスペックゆえ、男が近寄りたくない女ナンバーワンとまで噂されている。

婚活に危機感を持ち始めた杏子は、結婚相談所に登録した。婚活アドバイザーの直人からアドバイスを受け、少しずつ男女のノウハウを学んでいく。

そして2回目のマッチング相手・正木イイ感じになったと思いきや、まさかの大失恋。傷心の折、さらに元彼の知樹にまで騙されてしまう。そして、杏子は...?


「で?結局、その知樹氏とは、関係は切れていないということで、間違いないですね。」

久しぶりに会った婚活アドバイザーの直人は、相変わらず、ドライな口調でカウンセリングを進める。

知樹とのイザコザに疲れ果てた杏子が頼った先は、結局、結婚相談所だった。よって、杏子はこれまでの経緯を、事細かに白状させられていた。

恥を忍んで連絡を入れた杏子に、直人は何事もなかったかのように接したが、杏子が相談所を退会すると大口を叩いたことは、完全にスルーされている。

直人の顔は全くの無表情ではあるが、しかし、彼は出来の悪い生徒のような自分に心底呆れ、失望しているに違いない。そう思うと、杏子は恥ずかしさと虚しさで、直人を直視することは出来なかった。

「......かと言って、別に密な関係があるわけじゃないですけど...。」

直人は、冷たい目でジロリと杏子を見据えた。猛獣に睨まれた小動物は、恐らくこんな気分になるのではなかろうか。

杏子の心は、この直人の前では、丸裸にされているような感覚に陥る。この婚活アドバイザーという結婚のプロに対面すると、いつものように虚勢を張ったり、自分の心に嘘がつけなくなるのだ。

「杏子さん、念のため、もう一度確認します。あなた、結婚がしたいんですよね?」

「......はい......。」

杏子は俯きながら、絞るように声を出し返事をした。

「どの面下げて」という言葉があるが、きっと今の自分は、その表現にピッタリな顔をしているだろうと杏子は思った。

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