商社マン優作 Vol.9

商社マン優作:同僚の華麗なる転職に焦りながら、二子玉川にローンで家を買う34歳

ー総合商社に入れば、人生、一生安泰で勝ち組。ー

東京において、商社マンというのは一見、社会的ステータスの高い、万能なカードに見える。

しかし、果たしてそれは事実なのか?

商社という舞台には、外部からは計り知れない様々な人間模様があり、出世レースに関する嫉妬と憎悪に満ちた縦社会のプライド合戦も繰り広げられている。

早稲田大学商学部卒業後、大手総合商社に入社した優作。彼の商社マン人生は、薔薇色なのか、それとも?

バナナ・プリンスになって日本に帰国したが、新たな事業部に飛ばされた31歳。32歳で遂に結婚したが、麻里子と一夜を過ごしてしまった矢先、同期の純也がヘッドハンティングされ外資系企業に転職することになった。


一生、純也は商社にいると思っていた。
大好きな商社を辞めるなんて、信じられなかった。

「本当に商社辞めてそっち行くの?」

「まぁね。チャレンジする時が来たかなと思って。給料も良いし」

転職先は、六本木ヒルズに入る外資系IT企業だった。

これまでに、純也が仕事ができるという噂を聞いたことがなかった。なのに何故ヘッドハンティングされるのだろうか。純也は慶應の幼稚舎出身だ。早稲田出身の優作からすると良くわからないが、そのツテのお陰?まさか純也に先を越されるとは...

「いや、先を越された訳ではない」

自分に言い聞かす。しかし課長クラスがやたらといる日系の商社に永遠に留まっていて良いのだろうか。チャレンジして、起業したり転職をすれば、人生は変わるのだろうか。頭の中が“タラレバ”でいっぱいになる。

「もしもあの時こうしていたら、もし今後何かしたら...」

結局、何も行動できない自分がいる。それを分かっているからこそ、余計に焦りが増す。自分も何かしなければと思うが、足がすくんで動けない。

「一体、俺は何をやっているんだろう... 」

絶望に似た、救いようのない気分になった。

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