2016.06.21
SPECIAL TALK Vol.212020年のニューリーダーたちに告ぐ
デジタルを通じて、子どもたちの創造力や表現力を育む活動に取り組んでいるNPO法人CANVAS。その理事長を務めるのが、今回のゲストである石戸奈々子氏だ。
東京大学工学部を卒業後、MITメディアラボの客員研究員として学び、「すべての子どもたちに、創造的な学びの機会を提供したい」と、2002年にCANVASを設立。旧態依然とした教育現場に、新しい風を吹き込んだ。自治体や企業、教育機関などとの連携を深め、その活動は大きな広がりをみせている。
ひとりの社会起業家として、またひとりの母親として、彼女が考えていることとは? ITが著しく進化する今、次世代のリーダーたちは何に希望を見出すべきなのだろう?
金丸:お忙しいなか、ありがとうございます。今回は対談場所として、『銀座 やまの辺 江戸中華』をご用意いたしました。こちらのカウンターで中華をいただきながら、お話を伺えればと思います。
石戸:こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。地下にあって隠れ家みたいですね。お料理も楽しみです。
金丸:石戸さんは、NPO法人CANVASの理事長として、子どもたちの学びの環境を整える活動をされています。その一環として、子どもたちがITを使って、仲間と一緒にモノを作り上げるというワークショップを、全国各地で行っているそうですね。これまでに実施した回数は3,000回、参加した子どもたちは35万人以上に上るそうですが、そこに至るまでの経緯をぜひお聞きしたいと思っています。
石戸:金丸会長とは10年来のお付き合いなのに、改めてこんなふうにお話しするのは、なんだか照れちゃいますね。
理系一家で育ち、数学と物理に熱中した幼少期
金丸:NASAを目指して東大に、という話はよく伺っていますが、子どもの頃はどんなお子さんだったのですか?
石戸:すごく大人しい子でした。生まれも育ちも東京の下町、ちょうど谷中あたりで三代以上続く江戸っ子の家庭に生まれたんですけど、下町育ちのわりにとても大人しくて、先生に怒られた記憶もほとんどありません。
金丸:私とは真逆ですね。私なんて怒られてばっかりで、廊下に立たされたりしていましたから。
石戸:なんだか想像できます(笑)
金丸:ご両親は何をされていたのですか?
石戸:父は地元で工場を経営していて、母は当時にしては珍しいんですけど、プログラマーをしていました。
金丸:それは珍しいですね。ということは、石戸さんが今、プログラミング教育などに力を入れていらっしゃるのも、お母さんの影響が大きいのですか?
石戸:そうですね。それに兄の影響も大きいです。兄は小さい頃から科学が大好きで、よく兄に連れられて科学博物館に行っていました。そのうち私も宇宙が大好きになってしまって。
金丸:「リカちゃん人形」とかじゃなくて?
石戸:そういうものにはまったくハマらず、学研の雑誌『科学と学習』で育ちました(笑)。
金丸:根っからの理系一家、理系育ちなのですね。
石戸:はい。数学と物理ラブです(笑)。
金丸:中学、高校はどちらに進まれたのですか?
石戸:女子学院という中高一貫の女子高です。〝おばあちゃん子〞だったので、祖母の母校に行きたいという理由で選んだんですけど、制服も校則もない自由な校風で、すごくよかったですね。
金丸:その頃から、やはり理系を目指していたのですか?
石戸:正確に言うと、理系というより、「宇宙に行きたい」という気持ちが強かったんです。それで、航空宇宙学科がある大学に入ろうと思ったのですが、日本にはそんなに選択肢がなくて。
金丸:だから東京大学の工学部に?
石戸:そうですね。でも大学に入ったら、まるで男子校みたいでびっくりしました。特に工学部は、女性がほとんどいなかったので。
金丸:そうでしょうね。サークル活動もされていたのですか?
石戸:はい、テニスサークルに。当時は女子が入れるサークルがすごく少なくて、消去法でテニスサークルになったんですけどね。
金丸:じゃあ、大学時代は授業にちゃんと出席して、サークルでちょっと息抜きして、という生活だったのですね。
石戸:そうですね。毎日飲み会の幹事をした時期もありましたけど(笑)。大学ではロボット工学を専攻していたんですが、3年生の頃から、マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボに行きたいと思っていたので、それなりに勉強は頑張っていました。
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