産まない女 Vol.10

産まない女最終回: 自然な流れで事実婚に辿り着き、パートナーと過ごす豊かな日々

少子化の今、産まないという考え方は“悪いこと”なのだろうか。

多くが出産を望み、命が生まれることは素晴らしいことだ。しかし、“産まない”という選択肢を選ぶことも否定はできない。決して子供が望めない体でもない、嫌いなわけでもないが、産む決断と同じように、産まない決断をする女性も増えている。

これまで、20代から40代までの人生を振り返った雪乃、夫の意思を尊重して産まないことを選んだ美和子(43)、仕事を生きがいにしている美奈(42)などを紹介してきた。

最終回の今回は産まないことを決め、事実婚というスタイルに辿り着いた一組のカップルを紹介しよう。


結婚も子供も考えていないことは、交際前に伝える


神楽坂から脇道へ入って数分歩いた場所にある、瀟洒なマンションに住む友梨(37歳)と健太郎(39歳)。週末には近くの白銀公園で、楽しそうに走り回る子供たちの姿が見られる。

二人はここのマンションに住んで5年になる。結婚していない二人はこれから先も同棲を続けるが、結婚する予定はない。二人の関係に問題があるわけでもなければ、結婚できない事情があるわけでもない。二人は結婚しないライフスタイルを選択したのだ。子供を持たないことを決めていた友梨にとって、それは自然なことだった。

友梨は神楽坂と麻布十番にあるネイルサロンのオーナーで、毎日必ずどちらかの店に顔を出し、昔からの顧客のネイルを担当しながらスタッフの育成にも力を入れている。

10年前、神楽坂沿いにある雑居ビルの2階に、初めて自分のネイルサロンをオープンした。2号店の麻布十番も、オープンしてすでに5年が経つ。この10年の間に、健太郎と知り合い、恋に落ち、生活を共にするようになった。

健太郎とは、友梨が29歳の時に知り合い、30歳になると神楽坂の今とは違うマンションで同棲を始めた。結婚した友人のホームパーティで出会い、すぐに意気投合したのだ。『エシレ』のバターケーキを手土産に現れた彼に、友梨が先に好印象を持ったのが始まりで、デートを重ねるようになるのに時間はかからなかった。

二人の交際がスタートする時、友梨は健太郎に宣言した。「子供を持つ気も、結婚するつもりもない」と。これまでの経験から、先に伝えておかないと後々お互いに悲しい思いをする日が来ることを知っていたからだ。

自分の考えを伝えることで、せっかく好きになった相手が離れてしまうリスクも覚悟している。だから健太郎に宣言するときも内心では緊張していた。だがそれで彼が離れていくのであれば、縁がなかったのだと自分の心に折り合いをつける準備もできていた。

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