2016.05.29
産まない女 Vol.2少子化の今、産まないという考え方は“悪いこと”なのだろうか。
高齢経済社会研究センターでは、厚生労働省が毎年発表する都道府県別の合計特殊出生率について、全国値と比較可能な平成 26 年の都道府県別の合計特殊出生率を計算し、以下のように発表した。
1位:沖縄県(1.88人)、47位:東京都(1.20人)
地方に比べ女性の自立が進んでいる都会では、晩婚化が進み“出産”から少しずつ遠のいてしまう現状がある。このままでは少子化が進み、2060年には65歳以上の高齢者が、日本全体の約40%を占めると言われているのだ。
多くが出産を望み、命が生まれることは素晴らしいことだ。しかし、“産まない”という選択肢を選ぶことも否定はできない。決して子供が望めない体でもない、嫌いなわけでもないが、産む決断と同じように、産まない決断をする女性も増えている。
前回は20代にして産まないことを決意した和香を紹介したが、今回は30代夫婦が決断した「DINKS」という在り方について紹介する。
「DINKS」=意識的に子どもを作らない共働きの夫婦
東京カレンダーWEBでも以前から「DINKS」という言葉を使っていたため、聞き慣れている人も多いだろう。DINKS(=Double Income No Kids)は意識的に子どもを作らない共働きの夫婦のことを指しており、国内では360万世帯を超える。1980年代の後半、バブル期に大きく増加し、東京を中心に今でも緩やかに増え続けているのだ。
今回の協力者である真奈美(36)と博(38)もそんなDINKSの道を選んだ二人。真奈美は外資系企業で秘書を務め、博は大手証券会社で働いている。お互いの年収は合わせて2,000万円以上。一般的な夫婦の中では余裕のある暮らしができているといえる。
3年前には家賃がもったいないという理由で、DINKS向けのコンパクトマンションを購入。六本木からも近く、歴史的な下町として知られる麻布十番が二人の住まいだ。
平日はお互いに仕事が多忙のため、食事は各自でとることにしているが、決して冷め切った夫婦仲ではない。予定が合えばお気に入りのレストランへ出向き、帰りには手を繋いで自宅まで散歩する。休日も必ずと言っていいほど外出し、アクティブに過ごす。
自由な関係だからといって博が外に女を囲むことは一切なく、いつまでも恋人のような、傍から見ていて“羨ましい”と思える関係なのだ。
二人がDINKSを選んだ理由は仕事をしたいという真奈美の意思を尊重したことから。産休・育休にも理解のある会社だが、妥協を嫌う真奈美にとって、子育てと仕事を両立するのはどこかで無理が生じると思っている。両方をきちんとこなしている人はもちろんいるが、そこまで器用にできるタイプではないと自負しており、結婚前には博と産まないことについて話し合った。
博が子供好きなことは知っていたので胸を痛めたが、「俺は子供を作ってもらうために真奈美と結婚するんじゃない。二人でずっといたいから結婚するんだよ」と真っ直ぐに向き合ってくれた。このとき、自分を理解してくれる人はこの先も彼しかいないと思い、真奈美が32歳のときに結婚。あれから4年経つが仲の良さは一層深まっている。
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