2016.05.22
産まない女 Vol.1
少子化の今、この考え方は“悪いこと”なのだろうか。
高齢経済社会研究センターでは、厚生労働省が毎年発表する都道府県別の合計特殊出生率について、全国値と比較可能な平成 26 年の都道府県別の合計特殊出生率を計算し、以下のように発表した。
1位:沖縄県(1.88人)、47位:東京都(1.20人)
沖縄の出生率の高さは豊かな自然に恵まれ暮らしやすい環境であること。住民のコミュニティが強く、協力的な考えが多く支え合う姿勢をとっていることが影響していると思える。
東京都が最下位という理由も、沖縄と比べれば真逆の環境。女性の自立が進み、晩婚化していることも関わってきていると捉えられる。このままでは少子化が進み、2060年には65歳以上の高齢者が日本全体の約40%を占めると言われているのだ。
多くが出産を望み、命が生まれることは素晴らしいことだと思う。しかし、“産まない”という選択肢を選ぶことに否定はできない。決して子供が望めない体でもない、嫌いなわけでもないが、産む決断と同じように、産まない決断をする女性も増えている。
今回は“産まない”ということを決断した女性の現状と考え方を、この連載で明らかにしていく。
<今週の産まない女>
名前:和香
年齢:29歳
職業:システムエンジニア
住まい:新宿
家賃:10万円
趣味:読書
座右の銘:隠忍自重
結婚したいと思えない私は変なのでしょうか
20代で“結婚”からフェードアウトすることを決断した和香。決して容姿に非があるわけではないし、見た目はいたって普通の女性だ。彼女がこの若さで、こうした決断をしたのはなぜなのだろうか。
「20歳を過ぎた頃から“結婚”って必要なのかなと思うようになりました。もちろんひとりで生きていくのは大変ですし、両親のことを考えれば孫を見せてあげることが最大の親孝行だと思っています」
29歳となれば友人の結婚報告や、出産のタイムラインをSNSでは頻繁に見かける。“おめでとう”と祝福する気持ちの裏側には、冷めた気持ちの自分も存在するという。羨ましいという気持ちは一切なく、またお祝いを包むのかと財布事情の方が気になる。しかし、この支払いは“結婚しない” ”産まない”と決断した自分の義務だと受け止めているのだ。
友人の花嫁姿を見れば祝福できる気持ちもあるし、子供はとても可愛いと感じる。でもすべて“他人事”だからそう思えるんですよねと話す。
和香の両親は幼いころに離婚をしており、母子家庭で育った。しかし、父親がいないことを寂しいと感じさせないくらい、22歳という若さで彼女を産んだ母親は、愛情を注ぎここまで育ててくれたのだ。そのことについては心から感謝をしているし、尊敬をしている。でも自分がいざ子供を持とうと思うと一番先に思うのは“怖い”という感情だった。
「両親を恨んでいるわけではありません。でも家庭の作り方がわからない私にとって、結婚というのは離婚ありきで考えてしまうんです」
離婚することに対しては悲観的ではないので、嫌だなと思ったらすぐにでも離婚すればいいという考えがある。しかし結局は自分のエゴであり、そこに子供を巻き込むのは可哀想だと思うのだ。
それに母親のように愛情を注げるかもわからない。結局は自分が可愛いから、いつか子供を傷つけてしまうことになる。ならば最初から結婚も、産むことも必要ない。
「そう考えてしまう私って変ですかね」
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