口説ける男 Vol.6

口説ける男:女友達の意見を侮るな!「外堀から攻める」は男の予想以上に効く。

東京恋愛市場で日夜繰り広げられる男と女の逢瀬。

世間の男たちは下心ありきで女性を口説き、彼女たちはどんな誘い文句を言うのかと口から出る言葉に期待する。せっかくの楽しいデートも、男性の発言ひとつで台無しになることは多いだろう。

これまでどうしてここで? というタイミングで、女性が不機嫌になったことはないだろうか。それはあなたが“口説けない男”である何よりの証拠である。

この連載では、女盛りの妹・美鈴(27)と、結婚3年目の姉・弥生(33)を通し、女性が喜ぶ口説き方の成功例・失敗例を紹介していく。

<口説ける男・過去の教訓>
一度高級な食事を奢っただけで口説けると思うな
エクスペクテーション・コントロールをマスターせよ
去り際はスマートに
サヨナライツカ的なフラジャイルな関係を演出せよ
仕事自慢ではなく、真摯な仕事への姿勢が胸を打つ

今回は、友人の愛由美と(現代では死語ともいえる)華金の表参道へ出かけるが...?


今夜は華金。食事会を楽しむ予定だったが...


「あ、ありえない…」

仕事終わりに表参道で合流した途端、愛由美がスマホを睨みつけながらこの世の終わりのような表情で言った。

今日は愛由美の男友達の御曹司と、その友達の2対2で食事に行く予定だ。私も彼とは何度か会った事があるが、お調子者で明らかに遊び慣れた男だった。金払いも良く、お店選びも上手い。変に下心を出して誘ってくることもなく、帰ると言えばサクッとタクシー代を渡してくれたりもする。

「この時間にドタキャンなんだけど!!まじ最悪!」

そんな都合が良すぎる男に限って、そんなことが稀にある。

えっ!と私も驚く。明日は愛由美の誕生日で、今日は4人で前祝いをしようという約束をしていたのだ。

愛由美は、こんな時間なのにどうしよう、と、他の男友達の中から代打探しを始めたが、今夜は華金。中々相手が見つからない。

表参道は人で溢れ、皆忙しそうに歩いているのに、私たちは宙ぶらりん状態に陥った。女盛りの私たちにとって、華金にヒマになるほど悲しい出来事はない。しかも愛由美はあと数時間で誕生日を迎えるのだ。もう19時を過ぎている。

都会のど真ん中で取り残された、二人の救世主は...


私も誰か探そうとスマホを開くと、1通のメールが届いた。

「1週間お疲れ様。先ほど仕事が終わりました、帰ってアニメでも見ます。」

俊介からだった。1度目のデートから何気なく毎日連絡をとっている。彼からの「おはよう」「おやすみ」メールは変わらず、私もスタンプではなくきちんと返信するようになっていた。

―俊介なら、今からでも来てくれるかも...。

しかし、御曹司や経営者、外資系といった派手で遊びに慣れた男ばかり相手にしている港区女子の愛由美に、オタクキャラの俊介を会わせるのはいかがなものだろうか。

でも時間はもう20時を回ろうとしていた。私一人では、誕生日の愛由美の自尊心は満たされない。そういうものなのだ。

「ちょっとオタク気味の男の子なんだけど、その子だったら空いてるかも。良い子なんだけど、オタクなんだよね、どうかな...。」

オタクって言い過ぎ!と愛由美は笑った。二人を会わせることを悩みに悩んだが、この際祝ってくれるなら誰でも良い!と言うので、俊介に連絡をしてみることにした。

「今友達と表参道にいて、暇してるんだけど...。」先ほどのメールに返信すると、またしてもすぐに電話がかかってきた。

「二人でいるなら俺も誰か誘ってもいいかな、お店は決まってる?決まってないなら10分後にもう一度連絡します。」

電話を切った後で、「実は友達が明日誕生日なの。」とメールで伝えると、「盛大に祝おう!」との返信。続いてお店の場所も送られてきた。俊介は救世主だと思い、私はホッと胸をなで下ろした。

愛由美にその旨を伝えると、先ほどまでの焦りの表情は消え、美鈴のオタク友達に会えるの楽しみ!と嬉しそうに微笑んだ。二人の相性を考えると少々不安ではあったが、とりあえず窮地は免れた。

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