2015.01.21
SPECIAL TALK Vol.4金丸:そのためには何をすればいいとお考えですか?
佐々木:今、日本では、経済界でも政界でもメディアでも、ディシジョンメーカーは男の人がほとんどです。
ですから、女性役員や女性講演者、委員等を増やすことから始める必要があるのですね。
イー・ウーマンでは、そういった女性役員などの候補者を紹介するビジネスも始めています。
また、クオータ制という言葉を聞いたことがありますでしょうか? 役員等、女性の割合を数値化するという考え方なのですが、そういった考え方が議論されるのもその為です。
日本では、男女雇用機会均等法が成立したのが1986年ですから、もう30年近くも経っているのに、働く女性は増えても、決定権を持つ立場に女性たちは増えませんでした。自然増はしなかったのです。
今までのように男性リーダーたちのお眼鏡に叶う人、同じ働き方をする人たちだけが昇進するのを待っていたら、あと何十年経っても女性リーダーは増えないでしょう。
つまり、多様な視点が増えないということです。ダボス会議で有名な世界経済フォーラムが発表しているジェンダーギャップ指数ではが142カ国中、日本は104位ですからね。ずっと、100位前後を行ったり来たりしています。
大きな課題ですし、国際的な話題になっているのです。
金丸:本当に長い間、下位ですよね。たとえばすべての会社で5年くらい、女性に社長を替わってもらうというのはどうですかね? 15年もデフレが続いているのですから、5年くらいどうってことないとも思います。
佐々木:そうですね。突然女性社長が増えたら失敗する人もいるとは思いますが、それでも試してみる。みんなで全力で成功するように支える、という価値はあるかもしれません。成功も失敗も、男性経営者とある程度同じパーセンテージでしょうから。
たとえ失敗しても「女性だから」ということを言わないというルールのもとで、いろいろ試してみるのもいいかと思います。
経営者やリーダーの視点でのダイバーシティばかり話しましたが、一方で私は働き手である一人ひとりにも伝えたいことがあるんです。多様な時代だから、これから自分は自分らしく生きればいい、このままの自分が活かしてもらえる組織になればいい、などと思ったら大間違いだということです。
実は多様性の時代の方が厳しいと、私は考えています。
今までは会議室にいれば、黙って座っていても給料がもらえました。そして、何年か働いていれば自動的に給料が上がりました。しかし、多様性の時代は10人の人に質問をしたら、10通りの答えが期待されるのです。
多様性の時代に必要なのは一人ひとりの、自分自身の考え方なのです。自分の視点を述べられなければ、存在価値がない、ということになります。ですから、各自が、自分の視点を鍛えること、思考の幅を広げることが大切です。
金丸:では自分の考え方を持ったり、思考の幅を広げるには、何をすればいいのでしょうか?
佐々木:イー・ウーマンのウェブサイトに、ダイバーシティ思考を育てるための「働く人の円卓会議」というコーナーを作りました。
サイト上に毎週、各分野の議長が立って、様々なテーマでディスカッションをしています。領土問題、国内外の政治、教育、健康、食など、既に3000テーマ以上。そこでは、投稿ルールに「アイ・ステートメント」というルールを定めているんですね。これは自分の宣言文です。
たとえば、「消費税引き上げ、先送りがよいですか?」と問われたときに、自分の意見をいう訓練です。「先送りがいいんじゃないですか」などと言わない。「私は先送りがいいと思います。なぜなら……」とか「私は、先送りに反対です。なぜなら……」と、自分の考えだけに限定して、総論を述べず、言えるように訓練することが重要なのです。
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