SPECIAL TALK Vol.4

~多様性が求められる時代だからこそ自分流の視点を持つことが重要~

親戚に借金をして海外留学へ

金丸:その後、アメリカに留学されました。はじめての海外が、いきなり留学だったのでしょうか?

佐々木:はい、海外旅行さえしたことがありませんでした。自分の経済事情を考えても、海外留学は難しいだろうと思っていました。ですから、通っていた語学学校の掲示板で「アメリカの大学への奨学生をひとり募集する。大学の単位取得可」という案内を見たとき、これが人生において最初で最後の海外留学のチャンスだろうと思って応募したのです。

ところが、面接を受けるとき、奨学金は授業料だけで、旅費と生活費は自費だということに気付いて、経済的な理由から辞退しようとしたんです。そんなこともあり、結果発表も見に行きませんでした。そうしたら、「あなたに決まったのに、どうして手続きに来ないの?」と、学校から怒られてしまって。

「お金がかかるって知らなかったんです。留学できないかもしれません」と伝えたら、「一週間あげるから親と相談しなさい!」と。両親に相談したところ、「難しい」とのこと。その代わり、叔母に話してくれて、結局叔母から借金をして行くことになりました。もちろん、帰国後に働いて、叔母に返しました。

金丸:留学されたニューヨーク州のエルマイラ大学は、どのような大学だったのでしょうか?

佐々木:アメリカで最初の女子の4年制大学で、設立に作家のマーク・トウェインが関わったという、とても由緒ある、歴史のある大学でした。ちなみに、2008年、創立150回目の卒業式にてコメンスメント・スピーカー(式辞)を務めさせていただき、なんと名誉博士号の称号もいただきました。

金丸:それは素晴らしいですね。

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