SPECIAL TALK Vol.4

~多様性が求められる時代だからこそ自分流の視点を持つことが重要~

会社設立とニュースレポーターとしての活躍

金丸:設立は1987年ですね。起業するときに迷いとか不安とかもあったと思うのですが、いかがでしたか?

佐々木:いえ、全くありませんでした。あまり「起業するんだ!」という感覚を持ってはいませんでしたし、失うものもありませんでしたから。それに、会社を大きくしようとも、稼ごうとも思いませんでした。ただ、やりたい仕事が明確に見えていたから、熱心に仕事をしていた、という状況でした。

金丸:起業されたときはご結婚されていましたか?

佐々木:いえ、独身でした。結婚と子どもはその後ですね。実は、ニュースステーションでのレポーターも起業と同じ年から務めさせていただきました。

金丸:佐々木さんというと、レポーターのイメージが強いですよね。内容的に難しい社会派のレポートをなさっていた覚えがあります。

佐々木:本当ですか? 確かに、取材テーマは人権問題などが多かったですね。留学が最初で最後の海外旅行だと考えていたのが嘘のようで、レポーターとしては、1時間で通りすぎた国も数えると、25ヵ国以上訪れました。でも、都会での取材は少ないです。ちゃんとしたホテルがなく、水道や電気、食べ物がなくても、元気に取材して帰ってくるのがよかったようで、本当にたくさんの国に行かせていただきました。

金丸:コストパフォーマンスがよかったのですね(笑)

佐々木:フットワークが軽いし、英語も話すし、使い勝手が良かったのでしょうね。危ない場所とか、食べ物がない場所となると、「佐々木だ」と白羽の矢が立ちました。

おかげで、フィリピンの山奥でゲリラが隠れて訓練している基地に行って、銃を三方向から頭に向けられてインタビューしたり、マレーシアとタイの国境で、子どもを誘拐しているギャングが潜む国境線での取材をしたり。

モザンビークからマラウィへの回廊では地雷を避ける戦車に乗って数時間取材をしたこともありました。南アフリカではアパルトヘイトの取材を2回して、ヨハネスブルグで足を銃で撃たれ、銃弾の摘出手術をして帰国したこともあります。

金丸:そんな経験をされると、本当にもう怖いものがないですね。

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