SPECIAL TALK Vol.4

~多様性が求められる時代だからこそ自分流の視点を持つことが重要~

2020年のニューリーダーたちに告ぐ

東京カレンダーの『SPECIAL TALK』初の女性ゲストは、働く女性の声を代弁するだけでなく、自らアイコンとなって世界を飛び回り、活躍する佐々木かをり氏。

大学卒業後に起業し、1996年からは日本最大級の女性のビジネス会議「国際女性ビジネス会議」を主宰。
現在、株式会社イー・ウーマン代表のほか、何役もの公職を歴任し、上場企業の取締役も務める。

女性が活躍する社会を切り開いてきた佐々木氏のバックボーン、そして未来への提言とは?
対談者は、フューチャーアーキテクト代表取締役会長の金丸恭文氏。

次世代のニューリーダーたる東京GENTSが、多様性を求められる社会を勝ち抜くためのヒントがここに。

佐々木かをり氏 株式会社イー・ウーマン代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル代表取締役社長

現在、規制改革会議、産業構造審議会他政府委員、上場企業役員、財団理事なども務める。「国際女性ビジネス会議」は来る7月26日に第20回目を開催予定。佐々木メソッド時間管理術を実現する手帳「アクションプランナー」もamazonで1位に。最新著書は「なぜ、時間管理のプロは健康なのか」(ポプラ新書)

金丸:本日はお越しいただき、ありがとうございます。佐々木さんといえば語学が堪能というイメージがありますが、いつ頃から語学に興味を持たれたのでしょうか? 佐々木さんは、確か横浜のお生まれでしたよね。

佐々木:横浜で生まれて横浜で育ちました。母の妹がアメリカ人と結婚し、一時期日本に住んでいたので、英語しか話さない従兄弟との出会いが、私の英語との最初の関わりでした。また、わが家の裏にはイタリア人が住んでいたりもしました。日本語が流暢な方々ではありましたが。

金丸:土地柄インターナショナルな環境だったのですね。佐々木さんは優等生なイメージがとても強いですが、小さい頃から優等生だったのでしょうか?

佐々木:とんでもありません。人生の中で一度も優等生だったことはありませんよ。

金丸:それは意外ですね。

佐々木:でも、似たようなことを言われたことがあります。わが家は裕福ではなかったので、高校1年でアルバイトを始めてからは、経済的に親の支援を一切受けていないんです。大学の入学金も授業料も自分で払いました。大学4年のとき、育英会の奨学金制度が導入され、面接を受けたのですが、私の親の収入だと、通常枠より低い特別枠の申請だったのです。

しかし、面接官から「あなたを見ていると、書類に書かれているような貧しさを全然感じない」と言われまして(笑)。よく見ると、面接に来ている他の学生は下駄を履いて、ボロボロのTシャツを着て奨学金をもらいに来ているのに、私はきちんとした身なりだったんです。実は500円の布で縫ったスカートだったのですが、とてもオシャレだったんです。これはしまった、と思いました(笑)。

金丸:悲壮感がなかったんですね。

佐々木:はい。ところが、君はとてもいいと評価していただき、特別支援枠の奨学金をいただくことができました。

金丸:ご自身としては、経済的に恵まれてないということを、どのように捉えていたのでしょうか?

佐々木:これがまたとぼけていて、恵まれていなかったということを最近知った、という状態です。

金丸:それは大変興味深いですね。なぜそう感じられたのでしょうか?お父様は実業家でいらしたのですか?

佐々木:日本にまだドライクリーニングがないときにお店を開いて、大変繁盛していたのですが、株の取引で今の金額で何億円も失い、買った土地もお店も手放しました。小学校5年、6年ぐらいだったと記憶しています。突如一軒家から家賃5000円の住宅供給公社のアパートで暮らすようになったのです。

が、私の両親の素晴らしいところは、私にそういうことを決して暗く感じさせなかったこと。だから、一軒家からアパートに引っ越したのに何も悲しさはなくて、1ヵ月ぐらい経ってから、「あれ、私のピアノは?」と思ったぐらいです(笑)。そもそも貧しいと思っていなかったので、苦しくはなかったですね。

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