2024.04.19
爽やかに晴れた週末、あるひと組の男女が都内から横浜に向かっていた。今夜はそのままホテルに一泊するらしい。
ふたりの「横浜お泊まりデートストーリー」とともに、明るい時間からほろ酔えるワインバーと、夜景が楽しめるイタリアンをご紹介。
【横浜日帰りデートストーリーはこちら!】
大人なふたりの横浜日帰りデートストーリー。彼女の心を掴む、平日夜の小旅行プラン
【13:00】横浜お泊まりデートの幕開け
1週間前に、今週末は横浜に泊まると決めた。SNSでは海外のラグジュアリーホテルをあげたりもするけど、その一方で、誰にも自慢しない充実に憧れもある。
彼女とただ知らない街を歩き、帰りたくない気持ちになるのを見越してホテルを予約する週末旅のような充実だ。そんな日常と非日常の間みたいな旅の目的地としたのが横浜だった。
最近、横浜に戻った友人の影響もあり、海と飲み屋街が近い港町に惹かれてもいた。
駒沢に住む彼女をピックアップして高速に乗ると、40分ほどで横浜の街並みが見えてきた。彼女は大観覧車の写真を遠目から一生懸命に撮り続ける。
「たぶん、あとでたくさん見るから(笑)」
旅でありがちなシーンが近場で再現されてちょっと嬉しい。
【15:30】「昼から飲み屋が開いている街は、来た価値があるね」
「明るい時間にワインを気ままに飲むって、ヨーロッパみたい」
土日の横浜はいい飲み屋が14時には開くらしく、クルマを置いて友人の行きつけ『元町マチルダ』へ。
出迎えてくれたのは柔らかい雰囲気の夫妻。
センスの良いワインがたくさん並び、最初からアウェー感なくアペが始まる。
ひと口目を喉に流すと、「来て良かったね」なんて前のめりな彼女の感想に笑い合う。
【16:45】まだ明るい時間に、ほろ酔いで横浜散歩
ほろ酔いで店を出て、まだ陽があることに意外なほど幸せを感じていた。
寒過ぎない日だったから、酔い覚ましに元町から中華街を散歩することに。お互い土地勘はなく、新鮮だ。
元町商店街は、普段使うことがない“ハイカラ”という言葉を肌で感じる空気感。
おとぎ話みたいな時計の鐘の音が耳に入り、謎に大きな赤い椅子で記念撮影する子どももいて、和やかでもある。
脇に流れる川沿いを歩くと西陽で水面が煌めき、どこか初々しい気分だ。
35歳と32歳、付き合って2年。僕の駐在が終わり帰国してからのこの1年は、毎月、国内のいい旅館やホテルを回って、もとより目が肥えていた彼女も喜んでいた。
そんなふたりが、黄昏散歩で満たされている。気づけば賑やかな中華街に入り、数分前の商店街とのギャップが面白い。
ディナーは海辺の夜景が綺麗なイタリアン。横浜の振り幅の広さに、目覚め始めていた。
【19:00】「横浜に来たら絶対に夜景が綺麗な場所に連れていきたかった」
「夜景デートみたいなベタな事って、付き合ってからが嬉しい」
タクシーが繁華街から外れたレストランの住所に着くと、もう空が濃紺に落ちていた。
少し迷ったものの『Re : Journal』という目当てのイタリアンの入口を見つける。
そこで目に飛び込んだのは、ベイブリッジからみなとみらいを一望する大迫力の夜景だ。
実は「横浜 夜景」の画像検索で見つけた店。でも、生の質感は写真と全く別ものだった。ネットで綺麗な写真は無数に目にするけど潮風や微かな光の動きまでは体感できない。
夜景デートに気恥ずかしさもあったが、「ふたりで記念写真撮ろう」と、入店前から僕の方がはしゃいでいた。
ベイブリッジを背景に映る僕たちの姿は、ひと昔前の新婚旅行みたい。その話の流れで何気なく調べたら、橋は平成元年開通だった。
サービスが心地よいとつい飲み過ぎてしまう。肉肉しいボロネーゼも赤ワインを進ませた。『Re:Journal』でのディナーを終えて、次回は記念日に来たい店と思う。
【23:00】心地良い気分でタクシーに揺られながら、今夜過ごすホテルへ
今夜はホテルで眠るだけという解放感もあって、僕らはいつもより気持ちよく酔えていた。
夕方より冷えた外気を感じてタクシーに乗り、「横浜ランドマークタワー」と伝える。
学生時代は観光で訪れた横浜のアイコンを、いまはさくっとホテルとして利用。
タワーに入る「横浜ロイヤルパークホテル」のスカイリゾートフロアにある客室「アトリエ」は、窓際に小さなカウンターがある。
夜景を独占するバーのようでここに決めた。客室が52階以上という超高層階だから、先ほど地上で見た夜景とも変化がつけられる。
夜10時、3軒目も兼ねられる天空ホテルへと帰る流れは、すべてのあんばいがこの上ない。
ワイン片手に夜景を眺め、今日いた方角を指さす。角部屋はバスルームからも夜景を眺められる。夜景尽くしの夜は、大人の遠足と相性がいい。
【6:30】「これから半年に1回くらい、横浜へ週末旅行に行くのはどう?」
「想像以上に楽しかったから、毎月でもいいよ(笑)」
カーテンを開けたまま寝てしまったので、朝陽の光で自然と目が覚めた。
ベッドから窓の外を見ると一面空で、一瞬、自分がどこにいるか分からなくなったが、窓際のワイングラスを見て昨夜を思い出す。
飲んだあとのグラスが並んでいるだけなのにやけに綺麗に見えるのは、昨日がとても楽しかったからだろう。
隣でまだ寝ている彼女の小さな寝息が青空と相まって、この瞬間がもうしばらく続いてほしいと思った。ささやかな幸せも敏感に感じられるのは、相手が彼女だから。
そのうちに目を覚ました彼女が、うとうとしながら「お昼は中華街がいい」と開口一番に言うので笑ってしまった。「いいね」と返し、陽が差すベッドでまどろむ。
超高層階なら怠惰な朝を見られることもない。今後も毎年2回ほど、横浜へ週末旅に行く。そんな話を彼女としたい気になっていた。
今回デートで行ったお店はこちら!
1.400種類を超えるワインに、元町エリアの感度の高さを知る
『元町マチルダ』[Weekend Hour 15:00~]
山下公園や港の見える丘公園といったデートスポットがあり、石畳のストリートがヨーロッパの街並みをどことなく思わせる。
そんな元町の洒落た街並みに、溶け込むように佇む『元町マチルダ』。
店内に入ると目に飛び込んでくる、壁一面を埋め尽くすワイン棚が圧巻。さらに店内奥にはセラーもあり、500本以上をストックする充実ぶり。
ナチュラルワインを主体に自然派な造り手のグランヴァンなどもそろえる。
「自分も明るいうちから飲みたいので、昼過ぎから飲める店にしたかった」と微笑むのは、店主の土岐裕次郎さん。
客の好みなら、ちょっといい銘柄も惜しまずグラスで出してくれるから、なんとも楽しい。
センスの光る空間でのアペタイムに身を委ねれば、日暮れを待つふたりの心までもが満たされる。
ディナーなら!リッチな味わいのソーセージは必食
濃厚な旨みの北海道産「蝦夷鹿ソーセージ」1,100円。奄美大島と沖縄の豚をかけ合わせた「島豚ソーセージ」1,200円。
むちっとした肉質とジューシーな肉汁が絶品。
「ワインに悩んだら気軽に相談を!」
■店舗概要
店名:元町マチルダ
住所:横浜市中区元町3-141
TEL:045-513-9505
営業時間:【月・火・木・金】16:00~(L.O.22:00)
【土・日・祝】15:00~(L.O.22:00)
定休日:水曜
席数:カウンター7席、テーブル10席
2.海に浮かぶようなイタリアンで、近未来な煌めきに息を飲む
『Re:Journal』
一番近い元町・中華街駅からでも徒歩18分。倉庫が並ぶ埠頭の入口に『Re:Journal』は明かりを灯す。ほとんどの客が車で来るが、昼であれば自分の船で乗りつける紳士も。
というのも、目の前が船着場で海まで50センチ。春以降はデッキにパラソルが並び、背景に横浜ベイブリッジが迫力満点に輝く。そして、正面にはみなとみらいの絵葉書のような夜景。
実は1989年以降に一世を風靡したレストラン『タイクーン』の跡地であり、姿を変えて復活したと喜ぶ声も多い。
ここは海辺夜景のマジックで幾多のロマンチックなシーンを生んだ実績ありの立地だ。
イタリアンとして2022年9月に開業すると、三浦野菜や相模湾の魚を使った料理が評判に。
合挽肉を8時間とろとろになるまで煮込み、手打ちタリアテッレと和えたボロネーゼのファンも多い。
さらに好みを覚えてくれるなどサービスのきめ細やかさも加わり、美しい夜景と料理に没入できる。
バーカウンターでオリジナルカクテルも!
バーカウンターで肩を寄せ合って、こだわりのカクテルを楽しみたい。
デートで重宝するのは、そんな安心感と艶やかさが共存する店だろう。
埠頭の地の利を生かして、海から都市の全貌を望む
横浜ベイブリッジに続く本牧埠頭の入口に立地。
店の扉を背にして右手側にベイブリッジ、正面に横浜ランドマークタワーなどを眺める。
■店舗概要
店名:Re:Journal
住所:横浜市中区新山下3-4-17
TEL:045-323-9150
営業時間:ランチ 11:30~(L.O.14:00)
ディナー 17:00~(L.O.21:00)
定休日:月曜
席数:テーブル54席、テラス30席、バーカウンター8席
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