「2人は、幸せに暮らしました。めでたし、めでたし」
…本当に、そうでしょうか?
今宵、その先を語りましょう。
これは「めでたし、めでたし」から始まる、ほろ苦いラブ・ストーリー。
「ハッピーエンドの行く先は」一挙に全話おさらい!
第1話:絶対に家へ招いてくれない彼。不審に思った女が、自宅に突撃した結果…
バタンとドアが閉まる鈍い音とともに私は1人、部屋に取り残されてしまう。その瞬間、涙が溢れてきた。彼はいつもこうやって「仕事に戻る」と言って、早朝に帰宅するのだ。
― おかしい。私、騙されてるのかな。
でも怖くて、本当のことなんて聞けるはずがない。…そのときだった。ベッドサイドに何かが落ちているのを見つけたのは。
「あれ…。隆志の免許証だ」
私はそれを拾い上げると同時に、ある作戦を思いついたのだった。
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第2話:同棲3年目、彼女にいきなり別れを告げられて…。怒り狂った29歳男が言い放ったヤバすぎる一言
「で、別れたい理由はなんなの?」
僕の問いかけに、彼女はしばらく悩んだ後「いろいろよ」と言いながら、僕が脱ぎ捨てた靴下に目をやった。
「別れてこのマンションを出たら、どうするの?1人でこんないい部屋住めないでしょ」
同棲している虎ノ門のマンションは家賃32万円。毎月僕が23万、美佐子が9万支払っている。僕はそれを引き合いに出しながら、彼女が冷静になって「やっぱり、さっきの別れ話は撤回する」と言うだろうと思っていた。
しかし、美佐子は冷たい声でこう言い放ったのだ。
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第3話:3年前に離婚した元夫に、突然呼び出されて…?慌ててタクシーで向かった女が見た、衝撃の光景とは
「ねぇ、また今日も朝帰りなの?」
「お前に関係ないだろ」
「いったい誰と会ってるの?毎日、口紅がついたYシャツを洗うのは嫌よ」
「…うるせぇなぁ!」
結婚から、半年後。達也が甘い香りを漂わせながら、早朝に帰ってくることが増えた。しかも帰宅するとなぜか、悪びれる様子もなく私の布団に潜り込んでくる。
そんな豹変した彼の態度に悩んでいたある日、離婚の決定打となるような事件が起きてしまった。
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第4話:告白をOKしたにもかかわらず「1つだけ条件がある」と言い放った女。その内容は、まさかの…
「もしよかったら、俺と付き合ってくれないかな」
最初からダメ元での告白だった。地味で冴えない僕の告白を、彼女が受け入れてくれるわけがない。…そう思っていたのに。
「…いいよ」
「えっ、本当に!?」
「うん。翔平とは一緒にいて楽しいから」
結果はまさかのOK。僕は嬉しさのあまり、その場でガッツポーズをする。そんな姿を、美月は表情を変えずジッと見つめていた。そして次の瞬間、思いもよらぬ言葉を発したのだ。
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第5話:プロポーズしてくれた彼氏を裏切って、元カレと密会していたら…。愚かな30歳女に下った天罰は
将司は優しい。…でも、どこか抜けている。だから将来を共にする相手として「本当にこの相手で良かったのだろうか」と思ってしまうこともあるのだ。
そんなとき、先日の女子会で既婚者の友人・美南が言っていた言葉を思い出した。
「結婚には妥協も必要だよ?完璧な人なんて、この世にいないんだから」
たしかに、新卒から一流商社で働く将司の収入は安定しているし、顔だって悪くない。いわゆる“優良物件“なのは間違いないのだ。
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第6話:「冴えない男で妥協したのね」と友人の夫を貶す女。招待された結婚式である事実を知り、絶望するハメに
「竜也がいてくれてよかった。同級生はさ、みんな冴えない地元の男と結婚していくの」
「…そっか」
「うん。竜也みたいにカッコよくて、代理店に勤めてるようなハイスぺ男子は地元にいないんだよ…?」
私はキーボードを打つ彼にギュッと抱きつきながら、竜也の顔を見つめる。
― 絶対に、彼と結婚するんだから。
私は吞気に、そんなことを思っていた。…美咲の結婚式で、まさかの事実を耳にするとは知らずに。
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第7話:同棲中にもかかわらず、深夜3時まで男と遊び呆ける26歳女。帰宅すると、暗いリビングで彼が…
私は新卒で不動産会社のPR部門に入社し、ひょんなことからTV番組の不動産コーナーにレギュラー出演することになった。それをキッカケに、インフルエンサー兼モデルとして独立したのだ。
一方の司は新卒で入ったベンチャー企業で、激務に耐えながら仕事をこなしている。真面目で誠実。結婚相手としてはいいのかもしれない。…ただ、地味なのだ。
私はゲームをしている彼を横目に、マンションを飛び出してタクシーに乗り込む。インフルエンサーになってからというもの、東京には一部の人間だけが知ることのできる煌びやかな世界があると知った。
でもこのときの私は華やかなパーティーに夢中になるばかりで、大事なことに気づいていなかったのだ。
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第8話:だらしない体の夫を、男として見れない…。嫌気が差した妻が、ベッドの中でこっそりしていたコトは
彼は私の方を一切見ることなく、色気のないTシャツ姿で返事をする。ソファには、脱ぎっぱなしの靴下が転がっていた。
「もう、靴下は洗濯機に入れてって何度言ったらわかるの!?」
「あぁ、疲れてて。ごめ~ん。明日はボクが洗濯するから…」
そのだらしない姿を見ながら、時折思うのだ。このまま女として終わるのはイヤだ、と。
…そんなときだった。ある禁断のLINEグループから招待通知が届いたのは。
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第9話:「すみません、Uターンしてもらえますか…!」タクシー乗車中の女が焦った声で叫んだ、驚きの理由
翔平は私の初恋相手で、初めての彼氏だった。彼とは結婚するつもりでいたけれど…。浮気をされて、たった2年で別れたのだ。
私はショックのあまり、衝動的に別れを告げて連絡先も消した。でも翔平以上に好きになれる人は現れず、彼に似た人ばかりと付き合ってきたのである。
― 別れて10年も経つのに、翔平を忘れられないなんて…。
浮気をするようなダメ男の翔平とは違い、良太はすごく優しい。だから時々、私はどうしようもない罪悪感に苛まれる。深夜にふと目が覚めた私は、ぐっすり眠っている良太の横でスマホを開いた。
…すると、思わぬメッセージが目に飛び込んできたのだ。
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第10話:交際前の彼女を部屋に連れ込もうとしたら、玄関の前まで来て「やっぱり帰る」とポツリ。一体、なぜ…?
間髪入れず即答してくれた彼女とタクシーに乗り込み、僕たちは南青山のマンションへと向かった。
「素敵。服装だけじゃなくて、住んでるところもオシャレなんだね」
マンションを見上げて微笑む彼女の横顔を見ながら、僕は玄関を開ける。
「さぁ、どうぞ」
「おじゃましま~す!…って、え?なにこれ」
すると目線を下に落とした瞬間。洋子さんはなぜか顔をひきつらせ、その場に立ち尽くしたのだ。
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第11話:ついにプロポーズされ義両親との顔合わせまで漕ぎつけたのに…。彼の母親を見た瞬間、女が絶句したワケ
「実は、さ…。僕との結婚には、1つ条件があるんだ。両親に会ったらわかると思うけど、それも受け止めてほしい」
そう言って奏多はうつむく。次男である彼は商社に勤めていて、今後実家を継ぐ必要もないはずだ。でも御曹司との結婚に、困難はつきものだと聞く。昔読んだ恋愛指南書にも“お坊ちゃまとの結婚=姑問題を受け入れること”と記されていた。
― もしかして、お母さんが変わった人なのかも。
私は呑気にそんなことを考えていた。…この後、想像を絶する展開になるとは知らずに。
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