悪いのは、アナタ Vol.10

誹謗中傷の“真犯人”は一体、ダレ…?「悪いのは、アナタ」全話総集編

愛しい我が子の育児と、やりがいのある仕事。

多忙ながらも充実した日々を送る、働くママたち。

…けれど、そんなキラキラした“ママ”たちの世界には、驚くほど深い嫉妬と闇がうずまいているのだ。

ある日、1人の幸せな女性に、得体の知れない悪意が忍び寄る―。

悪いのは、一体ダレ…?

「悪いのは、アナタ」一挙に全話おさらい!

第1話:幸せな家庭と仕事を持つ完璧ママ。身に覚えのない誹謗中傷から始まる悪夢とは

快く取材を引き受けた雑誌が、数週間前に発売された。その影響なのか、最近、会社のSNSのフォロワーも徐々に伸びてきたのだ。コメントの数こそ多くはないが、大半が商品を褒める言葉で埋め尽くされている。

『他にないデザインと心地良い肌触りが気に入り、友人の出産祝いにも購入しました!』
『おくるみ、可愛くて見た瞬間ポチりました!』

― 良かった…!デザインにこだわった甲斐があったな。あの時は、工場の人と何度も交渉したけど、正解だったな。ん…?

麻紀が気分良くスマホを眺めていると、あるコメントを見つけ、手が止まった。

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第2話:『旦那の金があるから経営できてるだけ』SNSに容赦ない中傷コメントが。悪意の矛先を向けられた女は…

「ちょっと麻紀さん、マフラーもしてないの!?妊婦なんだから冷やしちゃダメだよ!足元ももっと暖かくしないと。顔色も良くないけど、ちゃんと食べて休んでる!?」

矢継ぎ早に問い詰める理絵に圧倒された麻紀を見て、陽菜が助け舟を出してくれた。

「ふふ、理絵さん、お母さんみたいだよ。でも、少し顔色悪いみたいだけど大丈夫?」

優しい陽菜の口調で自分のペースを取り戻した麻紀は、「そうかな、大丈夫だよ」と柔らかく微笑む。だが最近は、“あること”のせいで寝不足が続いているのだった。

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第3話:「家族まで、何かされるかも…!」順風満帆な美人ママを恐怖に陥れた、掲示板の“ある書き込み”とは?

海が何も話そうとしない。彼は昔から落ち込むことがあると、言葉で説明せずに、自分の内に溜め込む傾向にある。それでもすぐに機嫌を取り戻して、通常の明るい海に戻ってくれるのだが…。

心配になった麻紀は、その場で立ち止まって息子をぎゅっと抱きしめてみる。

小さな頭を自分の肩に頼りなさげに委ねる海に、こんなに幼いのに彼なりに何かを思い、考え、戦っているのかと胸がキュッと縮まる。

するとそこに現れたのは、同じクラスの理央くんママと、ママ友の永本恵だった。

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第4話:「私には何もできないの…?」誹謗中傷を受ける美人ママ。彼女が知った被害者の残酷な現実とは?

「とりあえず、早めに対策を打った方が良さそうだね。弁護士に連絡は取ってみた?」
「うん、寛人に昔紹介してもらった弁護士の宮城さん。会社のことでお世話になっているし、今回のこともすぐに相談にのってもらえることになったわ」

麻紀が連絡を取った弁護士の宮城は、スタートアップ事業を専門としている。会社設立の際から世話になっており、寛人の以前の会社では顧問弁護士として働いてもらっていた人物だ。

「そうか、彼なら親身に相談にのってもらえそうだし、仕事も早いから希望が持てるな」
「あと、もう1つ気がかりなことがあって…」

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第5話:「わざと避けられた?」ママ友のそっけない態度に驚く女。SNSの誹謗中傷が格好のネタになっていて…

「何なのよ、一体!言いたいことがあるなら、堂々と直接言ってきてよ!」

麻紀は段々と怒りがこみ上げてくる。

ネット上で誰かに叩かれることなんて、ちょっとした事故や災害に遭ったようなもので諦めるしかない、と自分に言い聞かせていた。けれども、じわじわと精神を追い詰められる。

― でも、本当に単なる運の悪さなの…?それとも、私が何か間違いを犯したのだろうか…?

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第6話:「最近、夫の帰りが遅い…」仕事で多忙な夫が妻に告げた、思いもよらぬ事実とは?

「実は、麻紀が宮城さんに相談に行った後くらいかな。うちの会社の方にも、嫌がらせのメールが届くようになって…」
「え、寛人の会社にも…?」

寛人の会社はまだ製品やサービスを販売する前の段階だが、投資家や未来の顧客用にホームページを作っている。そこに載せているメールアドレス宛に来たのだと言う。

「まあこっちも、よくある変なメールだと思ってブロックしてたんだけど、知らないうちに掲示板やらTwitterやらに、有ること無いこと書かれていたらしくて…」
「それってどんな…?」

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第7話:「息子を傷つけるなんて絶対に許せない」悪口の犯人を突き止めた美人ママ。彼女の“怒りの決意”とは?

「私、母親なのに気づけなかった。もっと注意深く海のことを見ていればよかった…」
「仕方ないよ。まだ4歳だし、言葉でうまく伝えられないことも多いよね。英明だってお友達とケンカしたこととか話したがらないよ。男の子って、母親には格好つけたいのよ」

理絵が麻紀の方を向いて、目尻を下げて優しく微笑む。いつも隙がなく強い印象を与える彼女だが、今日は息子を思う母親の顔をしている。

「それでね、ママたちのあいだで麻紀さんについてウワサしている人が他にもいるみたい。内容は多分、SNSで書かれたことだと思う。でも気になるのがね…」

そう言って理絵は視線を落とす。そして少し言いにくそうに間をおいてから、そっと口を開いた。

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第8話:「ウワサは流したけれど、原因は“アナタ”でしょう?」開き直ったママ友が語る、女へのいら立ち

覚悟していたとはいえ、友人であった恵がウワサを流した張本人だと認めたのはやはり悲しい。

ただ、彼女がどうして根拠のないウワサを流したのか、その理由が麻紀にはどうしてもわからなかった。

「慶太がそんなことを言ったのは、私のせい。私が他のママと話していたのを慶太が聞いちゃったんだと思う…。ウカツだった、本当にごめん」
「でも、何で?『海と遊ぶと病気になる』だなんて…」

残念な気持ちと怒りを何とかこらえながら、麻紀は冷静に聞き返した。

第8話の続きはこちら

第9話:「あなたの上から目線が嫌い」誹謗中傷した人物との直接対決。犯人の自分勝手な理由と悲痛な胸の内とは

2、3日経っても、DMに対する返信は来なかった。もしかして見ていないのか、相手がこちらのアカウントをブロックしている可能性もある。

それでも麻紀は指定した金曜日、ザ・ロビーラウンジで予定通り待つことにした。家から離れた場所を選んだのは、最後に少しだけ残った麻紀なりの配慮だ。すると、約束の時間から20分ほどして、“あの人物”がようやく現れた。

― あぁ、やっぱり…。

そこに現れたのは、長い髪を一つにまとめ、黒いミモレ丈のワンピースに薄化粧を施した彼女だった。

第9話の続きはこちら

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