プレゼントを開けたら Vol.1

プレゼントを開けたら:貞淑な妻が夫にねだった、まさかのクリスマスプレゼントとは…

プレゼント。

その包み紙を開けたとき、送り主から相手への想いが明らかになる。

ずっと言えなかった気持ち。意外な想い。黒い感情…。

ラッピングで隠された、誰かの想い。

そこにあるのは、プレゼントなのか。それとも、パンドラの箱なのか──。


広いリビングで、沙穂と悠史は静かに食事をしていた。

ここは南青山にそびえ立つタワーマンションの最上階。窓からは東京の夜景が一望できる。

静寂の中、ナイフとフォークの音だけが異様に存在感を放つ。

厳かなのか、気まずいのか、日常なのか。よくわからない空気感の中、悠史が沈黙を破った。

「もうすぐ、クリスマスだな」

沙穂の顔が、微かに強張る。

クリスマス。12月25日は沙穂の誕生日。

この日だけは悠史が何でも願いを叶えてくれる。欲しい物を何でも買い与えてもらえる。

沙穂にとって、聖なる日であると同時に、特別な日なのだ。

「そうですね、もうすぐですね」
「今年は何が欲しい?」

沙穂は、一呼吸おいて言った。

「何でも…。何でもいいんですよね?」
「あぁ。そう言ってるじゃないか。毎年なんでも買ってやってるだろう」
「今年はものじゃなくて…」
「なんだ…」

沙穂は意を決して、口を開く。

「ひとつお願いしたいことがあるんです」

悠史は、沙穂の思惑にまだ気づいていないようだ。

この記事へのコメント

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No Name
子供の話は結婚前に悠史がしとけよ。
2022/12/23 05:1785
No Name
23区の夫婦連載を読んでいるのかと思ってしまった…
2022/12/23 05:1243返信1件
No Name
離婚後自分で稼ぐために色々考えて努力できるような人が、結婚前に子供のことを一切話してないなんて、ちょっとにわかに信じられないとは思った。相手が一回りも上なら必ず確認すべき事なのに…
2022/12/23 05:1540返信1件
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