盛りラブ Vol.3

モテるのに彼女いない歴5年。29歳ハイスペ男が女にいつも逃げられる理由とは

「相手にとって完璧な人」でありたい―。

恋をすると、本当の姿をつい隠してしまうことはありませんか。

もっと好かれようとして、自分のスペックを盛ったことはありませんか。

これは、恋するあまり理想の恋人を演じてしまう“背伸び恋愛”の物語。

◆これまでのあらすじ

美人だがズボラな性格の芹奈は、SNSで理想の男性・瑛太に一目惚れ。2人はやり取りを続け、親しくなっていく。

芹奈は彼を手に入れるために、ズボラな性格を改めようと心に決めたのだった。

▶前回:ついに現れた“理想の10箇条”を満たす男。ニヤニヤが止まらないズボラ女子の決心とは?


「いい天気だな」

瑛太がバルコニーでひとりつぶやいた声は、早朝の静かな空気にとけていった。

ワーケーションのために伊勢志摩のホテルに滞在するようになって半年。青い海、緑の木々に囲まれた暮らしに心から満足している。

一流のリゾートホテルというだけあってサービスは行き届いているし、開放的なプールでのんびり泳ぐこともできる。

― 東京が遠く感じるなあ。

瑛太はITコンサルタントとして、27歳の若さで独立。チャレンジングな選択だったが、事業はすぐに軌道に乗った。

ワーケーションの場所に伊勢志摩を選んだのは、瑛太の主要なクライアントが2社あるのも理由のひとつだ。かつては毎週のように出張していたが、コロナ禍を機に、彼は思い切って拠点をここへ移したのだ。

東京にいても、都内のクライアントとの打ち合わせはリモート。ならば、わざわざ東京にこだわる必要もないと思ったのである。

瑛太は、ここに来てから一度も東京に戻っていない。これだけ自然豊かでゆったりと時が流れる場所にいると、戻りたいという気持ちは全く湧いてこないのだった。

バルコニーから部屋に戻りテレビをつけると、朝のニュース番組が放送されていた。

「昨日の東京都内の感染者数は…」と、トップニュースをアナウンサーが読み上げている。

瑛太は、食い入るようにテレビを見た。1ヶ月前に芹奈から突然のメッセージを受け取って以来「東京」と聞くと、瑛太の頭の中には芹奈が浮かぶようになっていた。

― 気をつけてな。

心の中で瑛太がそう言ったとき、兄の蒼一郎から電話がかかってきた。

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