盛りラブ Vol.2

ついに現れた“理想の10箇条”を満たす男。ニヤニヤが止まらないズボラ女子の決心とは?

「相手にとって完璧な人」でありたい—。

恋をすると、本当の姿をつい隠してしまうことはありませんか。

もっと好かれようとして、自分のスペックを盛ったことはありませんか。

これは、恋するあまり理想の恋人を演じてしまう“背伸び恋愛”の物語。

◆これまでのあらすじ

Instagramで見つけた理想の彼氏・瑛太に、思い切ってメッセージを送った芹奈。地方でワーケーションをする彼とやりとりを続けるうちに、互いに好感を持つようになる。だが、芹奈は超がつくほどの“ズボラ人間”だったのだ…。

▶前回:交際は最長3ヶ月。破局ばかりの短命女子が、運命の人とZoomで初対面!?


メールの通知音で目が覚めると、もう朝だった。カーペットの上で寝落ちしたせいで、体のあちこちが痛い。

「んああ…」

大きなあくびをしながら芹奈はスマホを手にとり、時刻を確認する。朝の7時だ。

あと2時間で毎週月曜にある朝のチームミーティングが始まるが、今日はリモートワークの日なので時間にはまだ余裕がある。

― それにしても瑛太さん、ホントに素敵だったな!

彼女は昨日のZoom飲みを思い出してニヤニヤしながら、食べかけのポテトチップの袋に手をのばした。

口に放り込むと、一晩中放置されていたそれは、思いっきり湿気ている。ジットリとした食感に顔をしかめた芹奈は、不意に思った。

― 私、こんなだらけた生活してちゃだめだよね…。

昨日のメイクがついたまま、湿気たポテトチップスを朝食代わりにむさぼる。こんな自分の姿など、瑛太には決して見せたくない。

…それに、部屋だってひどいありさまだ。

うっすらホコリの積もったテーブル。部屋の隅に重なるAmazonの空の段ボール。ベッドの上には、放置された山盛りの洗濯物。いつ使ったのかも覚えていない、茶シブのついたマグカップ。

― こんな女、瑛太さんが好きになってくれるはずがない。

急に冷静になってギョッとした芹奈は、まずゴミ箱を抱え、目につくゴミをその中にどんどん放り込んでいく。次に、洗面台へ行き溜まっていた洗濯物を洗濯機に入れてスイッチを押す。

そして、バスルームへと入り勢いよくシャワーを出しながら芹奈は思った。

月に数回しか出社しなくなってからズボラに磨きがかかった、と。

【盛りラブ】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo