今年も、夏がやってきた。
青い空、燦々と降り注ぐ太陽。そしてバケーションへの期待。夏はいつだって、人々の心を開放的にさせるのだ。
そんな季節だからこそ、あなたは“夏の恋”を経験したことはないだろうかー?
「夏の恋」一挙に全話おさらい!
第1話:「東京オリンピックに一緒に行こう」と誓い合った男と女。7年越しの約束の行く末は?
「あ、あたった…しかも…男子陸上決勝だ!!」
誠司は、部屋のデスクで一人立ち上がり、声をあげた。
倍率最高レベルであろう陸上決勝。無効にでもなったら大変だ。急いでクレジットカードを出し、支払い手続きに進む。
どうしても。誠司には、どうしても2020年東京オリンピックのチケットを、連番で2枚手に入れなくてはならない理由があったのだ。
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第2話:「自粛生活が明け、本当に愛している女が誰か気づいた…」女性を傷つけた男が、受けた報いとは
“あの頃”。
それは、幸成がままならない恋に費やした、去年の夏のことだ。
多忙な仕事を理由に、好きな女性を大切にできず、たった3ヶ月で終わってしまった短い関係。
不完全燃焼の夏の恋への後悔は、こうして思いがけず時間にゆとりができた今、遅効性の毒のように心をじわじわと蝕み続けているのだ。
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第3話:15歳年上の“あしながおじさん”からの、夜の誘い。決断を迫られ、25歳女が取った行動
私のお腹の中には、妊娠7ヵ月目の命が宿っている。
最近は活発に動き始めた小さな命の将来に想いを馳せるばかりで、私自身のこと、特に恋愛についてなど、考え込む時間は全くなかった。
だから、“花火大会”その単語ひとつで、今さらあの夏を思い出すことが不思議で仕方がない。
私は、交際人数としてカウントすることもなく、今後時効がきたとしてもわざわざ夫に話すこともないであろう人のことをそっと思い出していた。
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第4話:夫が突然、家を出て行った。1年後、その本当の理由に気づいた妻が取った行動とは…
—今年の夏は、何をしよう?
佑太郎と海に出かけたり、一緒に浴衣を着て花火大会に行ったり、夏季休暇に贅沢なリゾートでのんびり過ごしたり。
だが、そんな日々が訪れることはなかった。夫が、突然別れを告げて出ていったのだ。
2019年、7月。あの日を境に、樹里の人生の時計の針は止まったままだ。
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第5話:「彼に“楽園”を見せてあげる」見た目は平凡な女が、男をトリコにして結婚した秘策
ナイトウエディングときいて、始めは選択肢にもなかったが、真夏の夜という舞台がこれほど祝いの席に解放感とドラマチックさをもたらしてくれるとは思わなかった。
夏の狂騒と、そのあとの冷たい季節。
祐也は、こうして結婚に至るまでの顛末を思い浮かべ、不意に懐かしいような気持ちがこみ上げたことに驚いた。
去年の夏に登場した二人の女と、そのはざまにいた自分の、恋の顛末を―。
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第6話:同僚男性に嵌る、危険な情事。「ひと夏の恋」と割り切れない私…。
茶色の瞳をまっすぐこちらに向ける男…アメリカと日本のハーフである“エド”の部屋に泊まるのは、これで3回目になる。
昨夜は絶対に帰ると決めていたのに、飲んでいたオーパスワンを胸元にこぼしてしまったことでシャツを脱ぎ、また、なし崩し的に”こう“なってしまった。
仕事の帰りに部屋を訪れては、ベッドを共にするこの関係。夏の訪れと同時に始まったけじめのない関係に身を置きながら、静は思う。
―ひと夏の恋ってやつ、ね…。
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第7話:「結婚はまだ…?」女が、部屋の更新というキッカケで知った、男との“温度差”とは
申込書の入居者欄に、“恋人”として名前を書いたときの気恥ずかしさや、内見後、こんなお洒落な街に馴染めるのかなぁと笑い合ったことはもう遠い記憶だ。
あれから、私たちは4年をかけて夫婦のような恋人になった。
―そろそろ、本当の夫婦になりたい。
28歳。平凡なOLである私の想いは高望みなのだろうか?
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