それでも、私は東京で消耗する Vol.2

「男の憂さ晴らしじゃない?」昭和のオジさんを操る、“高学歴美女”の正体とは

―まだ東京で消耗してるの?

2014年、あるブログからこんな問いが投げかけられた。

そして6年経った今、同じように聞かれたら人々はどう反応するだろうか?

オンラインが当たり前になった生活を考えれば、狭い部屋に家賃を払い続ける理由はない。

しかしここに、それでも東京にこだわる一人の女がいる。彼女の名前は、莉々(32)。

◆これまでのあらすじ

莉々は偏差値40から、憧れの慶應大学に入学。周りに圧倒されながらも、たゆまない努力で充実した大学生活を送る。卒業後は憧れの大手広告代理店に入社し、学生時代から付き合っている恋人もいたが…?

▶前回:年収1,000万の慶應卒女が、都心暮らしに拘る理由


―2011年―

大学時代から憧れを抱いていた、港区に本社を構える広告代理店。内定をもらえたことに関しては本当に幸運だったと思う。けれど…。



あれは、莉々が新入社員だったときのこと。一言で言ってしまえば、運が悪かった。

「きみ、新入社員?」
「…あ、はい」
「こんな提案で、クライアントが金出すと思う?あのね、俺らの時代はさ…」

どんな時代になろうと、昭和の匂いがしみついた、泥臭いことを美徳と考えるおじさんというものは絶滅しない。

業界トップの広告代理店に入社し、莉々が初めてプレゼンした相手がそんな人種だった。

資料への指摘出し、過去の武勇伝、独自の仕事論。

永遠に続く、本来の打ち合わせとは全く関係のない話に、莉々は感心する素振りで相槌を打つのが精いっぱいだった。

けれどそんな莉々の隣には、慣れた語り口でおじさんを手なずける可愛らしい女性がいた。

「すごいです、本当に。やっぱり、そういう過去があるから、今があるんですね」

4つ上の先輩である菜緒さんは一見フワフワとした印象だが、その愛らしい見た目とは裏腹な本性を隠し持つ。

そんな一面を初めて垣間見たのは、この打ち合わせが終わったあとの、菜緒さんの口から発せられた一言だった。

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