急募:僕の嫁 Vol.12

伴侶探しの、予想外すぎる結末とは?「急募:僕の嫁」全話総集編

運命の相手と出会いたい。誰もが思っていることではないだろうか。

では、運命の相手はどこにいるのだろう。

「“ビビビ”ときた」

「会った瞬間に、この人と結婚すると思った」

そんなのを聞けば聞くほど、目の前の相手は違うと思ってしまう。

まだ出会っていないだけ、どこかにいるのだ。そう思い続けてきた、曽根進太郎、29歳。恋愛経験ゼロ。

彼の人生をかけた、“運命の相手”探しが今、始まる。

「急募:僕の嫁」一挙に全話おさらい!

第1話:運命の人を探し29年。恋愛経験不足のイケメンが結婚を焦る理由

「そういえばさ、俺の知ってる限り、お前って彼女いたことないよな?本当だとしたら、けっこうやばくない?

俺なんか、毎晩違う女と遊びたいと思ってきたけど、最近、ちょっと結婚願望湧いてきたりして」

「うるせーな」

進太郎は、酔っ払いを適当にあしらいながらも、内心ギクッとしていた。母親からも結婚について強烈な提案をされたばかりだったからだ。

曽根進太郎、29歳。恋愛経験はゼロに近い。超ド級の、夢見る夢男なのだ。

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第2話:「この男、不思議ちゃん…?」敏腕結婚カウンセラーが見抜いた、男の深層心理

「お待たせいたしました。お部屋にご案内します」

受付を済ませた進太郎がソファで待っていると、スーツ姿の女性がやって来た。「こちらへ」と促された進太郎は、パキパキと歩く彼女の後に付いて行く。

年齢は30代後半だろうか。目鼻立ちのはっきりした綺麗な女性だった。

−こんな綺麗な人もいるもんだなあ。

結婚相談所のカウンセラーというと、何となく“お節介な年配女性”をイメージしていたから、進太郎にとっては嬉しい誤算だった。

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第3話:「この女性とはちょっと…」出会って数分で男を幻滅させてしまったワケ

−そろそろ来ると思うんだけどなあ。

そうこうしているうちに、目が痛くなってきた。瞬きするのも忘れて見つめていたら、どうやら目が乾いたらしい。

進太郎は、目を休めるため、慌てて窓の外に目を向ける。今日は天気が良い。窓の外には、青空が広がっていて、雲がゆっくり動いている。ぼんやりと雲の動きを眺めていると、突然声をかけられた。

「あのー、シンタロウさん?」

慌てて彼女の方に顔を向けた進太郎は、次の瞬間固まってしまった。

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第4話:「モテる男は、聞き役に回る」恋愛ハウツー本を実践する男。その結果はいかに…?

昔何かで、「モテる男は聞き役に回る。しゃべらない」という記事を読んだこともあるし、自分からガツガツいかなかったことも評価されるはずだ。ここまで話せば良いだろう。

進太郎が、「あのー、次のコンタクトについてなんですが…」と話し始めたところで、室井がそれを遮った。

「先ほどから、“違った”とおっしゃっていますが。では、曽根さんの理想はどんな方なんでしょうか」

その声から、彼女が不機嫌であることを察した進太郎は、ビクッとした。

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第5話:「ついに運命の人に出会えた」猛アタックする男を待ち受ける、予想外すぎる展開

進太郎は、2回目のマッチングを前に、ガチガチになっていた。

緊張のせいで、やたら喉が渇く。自分を落ち着かせるように、進太郎は水をガブガブ飲み干す。

グラスが空になると、ウエイターが気を利かせて注いでくれるので、店に到着してからの15分で、気づけば3杯も水を飲んでいた。

今日の相手は、カウンセラー・室井イチオシの女性だ。さすがはカウンセラー。プロフィール写真は、進太郎のタイプど真ん中だった。

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第6話:人生で初めて失恋した男。彼がやってしまった恋愛初心者の大失敗とは?

翌日、昼食を取っていると、新着メッセージを知らせる音が鳴った。画面を見た進太郎は、思わず「やべっ」と声に出してしまった。

“お世話になっております。最近の活動状況はいかがでしょうか?

フィードバックもございますので、一度お電話出来たら幸いです”

カウンセラーの室井からだった。

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第7話:社内で噂の謎多き美女。休日に目撃してしまった、彼女の衝撃的な姿

口では、“価値観が合う人が理想”などと言っていたものの、実際にはルックスに大きく左右されるなんて。進太郎は、自分のことを苦々しく思った。

次のマッチングに向けて相手を探さねば…と、パソコンをスクロールしていると、スマホが鳴った。

「しんちゃん、元気にしているかしら?」

電話越しの甲高い声は、息子のために代理で婚活をしている、ヤバい母親だった。

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第8話:皆の前では天使、俺の前では塩対応。彼女が終業後に激変する理由とは?

−あ、梅田さんだ。

オフィス1階のエレベーターホールでぼんやりとエレベーターを待っていた進太郎は、先日遭遇した謎の美女・梅田杏を発見した。

この前のジャージ姿とはうって変わり、シックなワンピースに身を包んだ彼女は、ピンと背筋の伸びた美しい姿勢で立っている。

時折、同僚を見かけるとにこやかに「おはようございます」と挨拶している姿に、進太郎の頭は混乱する。ラフなジャージ姿だったことはさておき、いかにも無愛想で自分に塩対応してきた杏とは別人のようだ。

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第9話:親の敷いたレールに乗ってきた29歳エリート男。塩対応な女子に惹かれてしまう理由

これまで、両親(特に母親)の望むように、言う通り生きてきた進太郎は、いつしか、自分で何かを決めることが出来なくなっていた。

いや、出来ないわけではない。正直に言えば、自分で決断したことがないから成功体験もない。だから、怖いのだ。

−でも、ここで変わらなければ自分は一生変わらない。

婚活すると決めた時の初心を思い出した進太郎は、自分を奮い立たせた。

第9話の続きはこちら

第10話:数々のアプローチを無視して来たモテ女。彼女の気持ちが揺れた、男の奇襲攻撃

進太郎は、根拠のない自信に満ち溢れていた。手際よく料理を進めているうちに気分が良くなってきた。作業用の音楽をかけて、ラストスパートをかける。

オーブンでキッシュを焼いている間に、並行してラッピングの準備も。ハーブマリネとラタトゥイユ用の保冷剤のチェックも忘れない。

−これで、梅田と話すきっかけが出来たぞ。

料理を終えた進太郎は、我ながら100点満点を与えたくなるような絶品料理を前に、にやけた。

第10話の続きはこちら

第11話:「ヤバいことした…」後悔に苛まれる男。彼のもとに届いた、衝撃的なメール

彼女と話してみたいという一心での行動だったが、心の距離は近づくどころか、遥か遠くなった気もする。

−謝罪のメールを送ろうかな。

ようやくオフィスに到着した進太郎は、パソコンを立ち上げながら、そんなことを考えていた。このまま仕事で気まずくなるのは避けたいが、これ以上何かすると事態を悪化させる可能性も高い。どうしたら良いものか。

頭を悩ませながらパソコンを開いた進太郎は、1通のメールに目が釘付けになった。

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