運命の相手と出会いたい。誰もが思っていることではないだろうか。
では、運命の相手はどこにいるのだろう。
「“ビビビ”ときた」
「会った瞬間に、この人と結婚すると思った」
そんなのを聞けば聞くほど、目の前の相手は違うと思ってしまう。
まだ出会っていないだけ、どこかにいるのだ。
そう思い続けてきた曽根進太郎、29歳。恋愛経験はゼロに近い。超ド級の、夢見る夢男。
彼の人生をかけた、“運命の相手”探しが今、始まる。
「なあ、進太郎って結婚とか考えないの?」
レストランのテラス席で、目の前に広がる景色をぼんやりと眺めていると、ゼミの同期・加藤が話しかけてきた。
「はっ?」
進太郎は慌てて視線を店内に戻す。
「さっきの二次会だって、女性陣みーんな進太郎に釘付けだったじゃん。なのにお前、微笑んでるだけでさ。
はい、これ。帰り際に“進太郎に渡してくれ”って渡された連絡先。俺は伝書鳩じゃないっつーの」
先ほどまで、同じゼミの同期の結婚式に参加していた。久しぶりにゼミの男メンバーで飲んで帰ろうということになり立ち寄ったのだ。
さらに加藤は続ける。アルコールが入っているせいか、声がやけに大きい。
「そういえばさ、俺の知ってる限り、お前って彼女いたことないよな?
本当だとしたら、けっこうやばくない?
俺なんか、毎晩違う女と遊びたいと思ってきたけど、最近、ちょっと結婚願望湧いてきたりして」
「うるせーな」
進太郎は、酔っ払いを適当にあしらいながらも、内心ギクッとしていた。
母親からも結婚について強烈な提案をされたばかりだったからだ。
曽根進太郎、29歳。恋愛経験はゼロに近い。超ド級の、夢見る夢男なのだ。
この記事へのコメント
男→涼しげな目+身長180サンチ
女→アーモンドアイ+透き通るような白い肌
うるせえよw
結婚しなくていいんじゃない?
ひとりがあってる気がするよ。