立場逆転 Vol.6

1度だけ、のつもりが…。 “ご無沙汰”の主婦を誑かす、元・同級生の甘い囁き

やりがいのある仕事でキャリアを重ね、華やかな独身ライフを満喫する女。

早々に結婚し専業主婦となったものの、ひたすら子どもの世話に追われている女。

女として本当に幸せなのは、どっちだと思う−?

独身キャリア・工藤千明と、専業主婦・沢田美緒。対照的な選択をした二人が、同窓会で再会

洗練された美女へと変貌した千明は複数の男性から言い寄られているが、最も気になる男・宇野から「結婚する気はない」と宣言され落ち込む。

一方、かつて学校一のモテ女だった美緒は、商社マンの夫との間に一人息子を設け幸せに暮らしていた。しかしその風貌にかつての輝きはなく、夫もつれない

華やかな友人に妙な対抗心を抱く美緒は、千明をホームパーティーに招待。その場で、ある男性からデートに誘われていることを告白する


沢田美緒:久しぶりの高揚


「久しぶり!俺、村尾です。わかるかな?」

高校時代の同級生・村尾裕一郎から、突然のLINE通話がかかってきたのは、千明を誘ったホームパーティーの前日のことだった。

そのとき私はスーパーで買い出しの途中で、店内に流れる陽気な音楽が聞こえやしないかと、なぜか妙に慌ててしまった。

なんとなく…咄嗟に、主婦である自分を隠したくなったのだ。

「村尾くん…?どうして…?」

村尾裕一郎とは、同窓会の夜も結局大して絡まずに終わっていた。

学生時代は“変わり者”のレッテルを貼られていたにも関わらず、15年の時を経て“注目の若手経営者”となった彼。

外見も振る舞いも随分と洗練され、一緒にいた女友達も目の色を変えて彼を見ていた。

その村尾が、どうして私に…?

「同窓会に来てたユミちゃんにアカウント教えてもらったんだ。急に電話してごめん。でもメッセージだと、返事もらえないと悲しいからさぁ」

自虐を交え、「あはは」と笑う村尾。そして一呼吸を置くと、声のトーンを一段下げて、こんな言葉を口にしたのだ。

「梶原...いや、もう梶原さんじゃないのか。沢田...さんは、絶対気づいてなかったと思うけど。実は俺…高校時代、沢田さんに憧れてたんだよね」

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