2020.04.27
女神のオキテ Vol.9世の中に様々な職場や集団は存在するものの、それが「女ばかりの世界」となると、多くの人はあるイメージを抱く。
女社会は、厄介なものだというレッテルを貼られてしまうのだ。
この物語は、化粧品メーカーに勤務する主人公が奮闘するストーリーを通じて、「女社会の実情」を描いたものである。
華麗なる女社会で、彩乃はどんな成長を遂げるのか?
「女神のオキテ」一挙に全話おさらい!
第1話:女だらけの世界は、天国か地獄か? 25歳の女が初日に言われた、衝撃の文句
季節ごとのトレンドを反映した色鮮やかなアイシャドウやリップ。そして、それらを手に取るときの高揚感。考えるだけで、うっとりとした気持ちになれる。
何より、誰かを美しく見せることのできる化粧品は、彩乃にとって何事にも勝る魅力を持っていた。
ー入社して以来、いつかは商品開発部門にとは願っていたけれど…。
まさかこんなにも早く実現するとは、青天の霹靂だ。だがこのときの彩乃は、夢にまでみた部門への異動に浮かれるあまり、想像もしない現実が待ち受けているとは考えもしなかったのである。
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第2話:「鏡を見るのが怖い…」上司から外見をディスられた女が、ショックを受けて決意したこと
無事にセミナーを終え、彩乃は深いため息をついた。
「はぁ…。なんだか感性的すぎて、理解したのかどうかも分からないなぁ。受動的に説明を聞いただけって感じだったわ…」
せめてもの気分転換に、お昼は久しぶりに外でランチでもしようかと会社のエントランスを出て歩いていると、突然背後から名前を呼ばれた。
「あれ…日比さん??」
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第3話:「私、あの旦那の顔はちょっと無理…」他人の夫を陰で貶める、女たちの実態とは
シャワーを終えた彩乃は、まずはファンデーションを肌に馴染ませる。均一にムラなくしっかり伸ばすのがポイントだ。
続いて、桜子からのアドバイスがキッカケとなり、最近パーソナルカラーに合わせて購入したアイシャドウパレットで、丁寧に目元を作り上げる。
最後に、目元のトーンと会うように、唇に色を入れて完成である。
上手く出来たはずだ。少なくとも今日の自分は、1か月前の異動してきた頃よりは自信を持っていい気がする。彩乃は鏡の中の自分を見つめながら、そう言い聞かせるのだった。
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第4話:可愛くてとびきり優しい、年齢不詳の女。だけど不意に彼女が見せた本当の顔とは
「全然面白くないわ。こんな商品出して、何か新しい感動をお客様に与えられると思うの?」
「え…」
突然ぴしゃりと言われて、返す言葉に窮してしまった。こんな時はどう答えていいのかわからず、焦ってしまう。思わず舞姫の方をちらりと見たが、素知らぬ顔で、彩乃からの視線に気づかないふりをしている。すると遠藤が厳しい口調で尋ねた。
「舞姫さん、あなたもカラーアドバイザーのポジションじゃない。私のところに来るまでに何かアドバイスしなかったの?」
ところが、次に舞姫が放った言葉に、彩乃は凍り付いてしまった。
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第5話:「子どもがいる女はいいよね」と同僚から言われ…。キャリアと育児に追われ、疲弊した女
―恵理子さん、今日も素敵だわ。
身長165cmを優に超える抜群のスタイルに、マックスマーラのサマードレスを着こなす恵理子に、彩乃は出社早々目を奪われた。ところが、彼女はいつもと少しだけ様子が違う。キーボードを叩きながら、時折「はぁ…」とため息を吐いているのだ。
―恵理子さん、なんだか疲れているみたいだけれど大丈夫かしら…?
装いは完璧な一方で、彼女の目の下には、コンシーラーでは消せないくらいのクマが出来ていた。
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第6話:3度目のデートで“何かある”と思っていたら…。男のまさかの発言に、女が赤面した理由
週末、隆史とデートの約束をしている。
6月中旬。梅雨入りしたものの、週末は晴れの予報が出ているから、ドライブデートをしようと彼に誘われたのだ。休日に約束をして一緒に過ごすのは、これで3回目だった。
3回目。デートの法則や恋愛の法則でまことしやかに囁かれるのが、3回目は重要だということ。3回目のデートで告白されるとか、付き合うベストタイミングだという声はよく聞く。
事実、彩乃の周りでも、この法則にならったカップルは多い。意識していないつもりでも、やはり心のどこかで期待してしまう自分がいる。
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第7話:「大好きな彼と交際できて、幸せ」恋も仕事も絶好調の女に、突然連絡をしてきた人物とは
「里帆」と名乗るその子のことを、彩乃は直接知っているわけではない。卒業生名簿を見て連絡してきたのだろう。これまでも在学生から連絡が来たことはあるが、関西支社にいたため、引き受けたことはなかった。
-初めてのOG訪問…。緊張するけれど、営業時代よりも開発にきてさらに学ぶことが多いから、いろいろお話してあげられたらいいなぁ…!
少しでも力になりたい。彩乃はそんな風に思って、里帆宛に返信を送った。
まさかこのOG訪問が、波乱を巻き起こすことになるとは思いもせずにー。
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第8話:「SNSで見た今カノが、どうしても気になってしまう」元彼を忘れられない女が取った行動とは?
「え?隆史くんと滝沢さんって…2人は知り合いなの?」
驚いて声をあげた彩乃を、里帆は一瞥した。だがその問いには答えずに、隆史に向かって話しかける。
「お久しぶりです。驚いた?実は留学から帰ってきて、これから就活するの。化粧品業界もいいなぁって思って、日比さんにOG訪問したの。
やっぱり、隆史さんが日比さんの彼氏だったのね」
-やっぱり?知っていたってこと?
第8話の続きはこちら
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