女神のオキテ Vol.5

「子どもがいる女はいいよね」と同僚から言われ…。キャリアと育児に追われ、疲弊した女

女子高、ママ友社会、看護師やCAなどの女性が多い職場。「女の世界」となると、多くの人はあるイメージを抱く。

—女の敵は女。

この物語は、化粧品メーカーに勤務する主人公が奮闘するストーリーを通じて、「女社会の実情」を描いたものである。

ここは、女たちがスペックを振りかざす孤軍奮闘のマウンティング社会でしかないのか?それとも…。

◆これまでのあらすじ

大手化粧品メーカーの営業部門から、女たちが集う開発部門へと異動となった彩乃。

上司たちから洗礼を受けながら、「女社会」に対するイメージが変わり始めていくが…。


働く人の多くが待ち望むであろう週末。金曜はいつもより、浮かれた気持ちになる。

ただ、オフィスに向かう彩乃の足取りが軽い理由は、それだけではなかった。

『じゃあ、日曜日12時30分に六本木で。』

ここ最近仕事が忙しそうだった隆史から、週末デートの誘いがきたのだ。

昨日の夜に交わしたLINEのメッセージを読み返し、嬉しさのあまり顔がほころぶ。

日曜はどんな服で行こうか、口紅を新調して雰囲気を変えようか。そんなことを考えながら、彩乃はいつも通り始業時間の20分前に、会社に到着した。

始業時刻があるとはいえ、フレックス制度を導入しているこの会社では、朝早い時間帯に出社している人はあまりいない。

しかし、毎日彩乃よりも早くに出社し、パソコンに向かう人たちがいる。そんな彼女たちの共通点は、「ワーキングマザー」であることだ。その中には、彩乃をお食事会に誘ってくれた恵理子の姿もある。

―恵理子さん、今日も素敵だわ。

身長165cmを優に超える抜群のスタイルに、マックスマーラのサマードレスを着こなす恵理子に、彩乃は出社早々目を奪われた。

ところが、彼女はいつもと少しだけ様子が違う。キーボードを叩きながら、時折「はぁ…」とため息を吐いているのだ。

―恵理子さん、なんだか疲れているみたいだけれど大丈夫かしら…?

装いは完璧な一方で、彼女の目の下には、コンシーラーでは消せないくらいのクマが出来ていた。

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