女神のオキテ Vol.2

「鏡を見るのが怖い…」上司から外見をディスられた女が、ショックを受けて決意したこと

女子高、ママ友社会、看護師やCAなどの女性が多い職場。

世の中に様々な集団は存在するものの、それが「女の世界」となると、多くの人はあるイメージを抱く。

—女の敵は女。

そう、まるで女社会は厄介なものだというレッテルを貼られてしまうのだ。

この物語は、化粧品メーカーに勤務する主人公が奮闘するストーリーを通じて、「女社会の実情」を描いたものである。

ここは、女たちがスペックを振りかざす孤軍奮闘のマウンティング社会でしかないのか?それとも…。

◆これまでのあらすじ

社会人4年目を迎えた彩乃は、大手化粧品メーカーの営業部門から、美しく華麗な女たちが集う本社の開発部門へと異動となった

夢が叶い、期待に胸を膨らませるが、彩乃は強烈なチームメンバーたちに初日から驚かされてしまう。


「おはようございます」

彩乃が商品開発部門に配属されてから、約2週間が経とうとしていた。

ここのところ、毎日があっという間に過ぎていく。

近畿支社から本社への配属となったため、それに伴って、関西から東京へと引っ越してきた。週末は全て引っ越しによる家の片づけにバタバタと追われていたのだ。

「もう少しで、ゴールデンウィークね…。それまで頑張って乗り切らなきゃ」

そう思いながら、デスクに座ってパソコンを立ち上げると、横でひらりと赤いスカートが舞うのが見えた。

「日比さん、おはよう。今日はトレンドセミナーよね?場所どこだっけ」

声を掛けてきたのは、配属初日に彩乃の服装を「入社式みたい」と形容した人物、遠野桜子である。

桜子は、彩乃の「OJT担当」でもあったのだ。だからこそ配属初日に「どんな子が来るのか見たかった」と言っていたのだろう。

「セミナールームA・Bです。10時から始まるみたいです」
「ありがとう。じゃあ、まだ1時間あるわね」

次の瞬間、彩乃は呆気に取られてしまった。なぜなら桜子の行動は、またしても意外なものだったのである。

「化粧も出来るし、髪も巻ける時間あるわね」

そう言って、桜子はデスクでメイクを始めたのだ。彼女の机は、化粧品一式で隙間もないほどに埋め尽くされている。

「えーっと。今試作している途中のアイシャドウは…あ、あったわ!」

開発部門では文字通り、化粧品の開発を行っているため、色や質感を試す目的で、試作品を使うのも当然業務の一部である。

それは理解できるのだが、チームの女性陣が一斉にデスクでメイクをしている光景は、彩乃にとっては少し異様で、度肝を抜かれてしまう。

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