病める時も、ふくよかなる時も Vol.2

毎日カップ付きキャミとスニーカー。結婚後、女をサボっていた妻にくだされた天罰とは

―病める時も、健やかなる時も。これを愛し、これを敬い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?―

かつて揺るぎない言葉で永遠の愛を誓い、夫婦となった男女。

しかし…妻が“女”を怠けてしまった場合でも、そこに注がれる愛はあるのだろうか?

◆これまでのあらすじ

結婚後、8kgも太ってしまった栗山美月。

太っていたって、愛されている。そう信じていた美月だったが…久しぶりに夫婦生活を持ちかけてみたところ、夫の誠司からは残酷な一言が返ってきた。


大勢の客で賑わう土曜夜の焼き肉屋で、美月はしかめっ面のまま3杯目のビールをあおった。

向かいの席でそんな美月を鬱陶しそうに見つめながら、フォロワー数3万越えの人気インスタグラマー・澤村桐乃(さわむら・きりの)が言う。

「あんたさぁ…せっかくの焼肉なんだよ?もう少し楽しそうにできないわけ?」

学生時代からの親友・桐乃とは、お互いが主婦になった今でも頻繁に会う仲だ。

特に、広尾に住む桐乃と美月の自宅がある中目黒の中間地点、恵比寿にあるこの店には、月に2回は通っている。

熱烈なポルシェ愛好家である誠司は、毎月2回、富士で開催されるポルシェ愛好会のサーキットに泊りがけで出かけていく。そのため誠司不在の夜はいつも、こうして二人で焼肉に来るのが定番になっているのだった。

「いつもの旦那のノロケは、今日はないわけ?まあ、それはそれで私は助かるけど」

テーブルに並んだ肉を撮影していた桐乃は、ようやくスマホを置くと、手入れの行き届いた長い髪をかき上げながら美月の顔を覗き込む。

美月は右手に持ったビールのグラスにもう一度口をつけ、改めて2日前の屈辱的な夜を思い出して大きなため息をついた。

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