元カレ・コレクション Vol.3

「この男、大丈夫…?」交際1カ月で、男が女に明かした無謀すぎる計画とは

本田 敬一、25歳。

杏里は学生時代に料亭でバイトをしていたが、卒業と同時に辞めるタイミングで、新入りバイトとして入ってきたのが本田だった。

一度だけシフトが被ったことがあり、軽く挨拶と世間話をしたことがある。

「すごい偶然だね、こんなとこで。本田くん、雰囲気変わった?」

「よく言われます。あの頃、まじで部活しかしてなかったんで」

当時の本田は、いかにもむさくるしい男子学生という感じで、少しぽっちゃりしていた。

しかし久々に見ると、がっしりとして引き締まった身体に、優しくて人懐っこい笑顔が魅力的だ。

「杏里さん、今度よければ、二人で食事しませんか?」



偶然の再会から1週間後には、本田と二人で食事に行った。

新卒でIT系のベンチャー企業に入社したという本田。名前を聞いたことのない会社だったが、彼いわく、会社は今まさに上場を目指しているところで、手がける事業は間違いなく大きくなるらしい。

何かとITリテラシーの高い本田との会話は単純に勉強になるし、面白かった。

杏里がIT企業で担当している仕事の話も面白そうに聞いてくれるし、相談にも乗ってくれる。


「杏里さん、仕事の話するとき、イキイキしてますね」

食事中にニコニコしながらそう言った本田を見て、杏里は思った。

ー私には結局、こういう男が合ってるのかも。

特別な感情が無いからこそ、何の計算もせずに思ったままに話し、振る舞える。本田との時間は杏里にとって、驚くほどラクだった。

彼とは何度かデートをした。3回目のデートは、六本木ヒルズの映画館で待ち合わせ。

前回会ったときに、観に行きたい邦画があると話したら、本田はその場ですぐさまチケットを取ってくれたのだ。

ー純だったらこの映画、絶対一緒に行ってくれなかったな。

純には「邦画は映画館で見たくない」という謎のこだわりがあり、杏里がどうしても観たいと言っても別のデートを提示されることが多々あった。

ーこんな気軽な関係、新鮮でいいかも。

待ち合わせ場所に手を振りながら向かってくる本田の姿を見ながら、そう思った。

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