ニュースな女 Vol.3

「私、彼女じゃなかったの!?」 彼に本命がいることを知った、26歳女の戯言


Vol.3 ミスマッチの妙味


名前:ミサ(26)
職業:建設会社・営業事務 大手町勤務


都会には嘘つきが多いと聞いていたけれど、東京の人は案外「本当」が好き。

いわく、「本当のお金持ちは、ブランド名がわかるようなバッグを持たない」「本当の東京人は、あんな派手な街には住みたがらない」「本当にちゃんとした家の女の子は、名前に『子』がついている」…。

「本当」というのは、多くの場合「代々東京に住んでいて、家柄がよいこと」を指す。

つまり、地方出身の私は、いかにファッションセンスが向上しようとも、物慣れた風に寿司屋のカウンターに腰掛けようとも、所詮はイミテーションなのだ。

そう考えると、ボーナスで買ったバッグも、ちょっと無理して住んでいる憧れの街も、それらを選んだ自分さえも野暮ったく思えてしまう。

上京したばかりの頃は「垢ぬけない」とあしらわれ、馴染もうと努力をすると今度は「必死だね」と笑われる。

理不尽な話だ。

東京に住んで8年も経つのに、そんなことを思ったのは、今夜の私がかなり落ち込んでいるせいだ。



あるジュエリーブランドの新作発表会。

ここ表参道の路面店は、通常は20時まで営業しているそうだが、今日は16時には閉店した。

以降、店内では、招待客がシャンパングラスを手に、本国フランスから運ばれてきたばかりだというジュエリーを優雅に眺めている。

宝石を使ったカラーセラピーなど、客を飽きさせないためのブースが設けられていて盛況だ。

私だって無邪気に楽しんでいたと思う。

行きの地下鉄で、レイコさんからあんなことを聞かされていなければ…。

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