東京男子図鑑 Vol.5

「年収3,000万以下とは結婚しない」エリート商社マンのプロポーズを断った美女の素性

−女なんて、どうせ金を持ってる男が好きなんだろ−

そんな風に思うようになったのは、いつからだっただろう。

慶應義塾大学入学とともに東京に住み始めた翔太は、晴れて慶應ボーイとなるも庶民とセレブの壁に撃沈

さらには付き合い始めた1歳年上の女子大生・花純が、お金持ちのおじさんに群がるいわゆるビッチだったことが判明。その悔しさをバネにした翔太は、大手総合商社の内定を勝ち取る

若手の間は苦汁を飲んできた翔太だったが、28歳、社会人6年目でついにモテ期到来

調子にのる翔太。しかし噂話で、同期のコジマが出世レースの先頭にいることを知り、小さな焦りを抱く。


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30歳。初めて結婚を意識した女


「新郎・小島悟さんは早稲田大学政治経済学部をご卒業され…」

新郎新婦の生い立ちから学歴・経歴をつぶさに紹介する司会の女性。

よく通るその声のおかげで、僕は同期・コジマの妻となる女性が、東大出身、外資系コンサル勤務のバリキャリだということを知りました。

30歳になる年の、春のこと。僕は同期・コジマ夫妻の結婚披露宴に参列しました。

これまで同期の結婚式はホテルウェディングが定番だったので、コジマが当時流行っていたゲストハウスを選んだのは意外でした。見るからに押しの強そうな、妻たっての希望でしょうか。

新郎側最前列のテーブルに座り、僕はコジマの妻を観察します。

申し分のない学歴・経歴。なるほど知的な女性ではあります。

けれど、どう見ても地味。ウェディングドレスに身を包み、ここ一番のヘアメイクをしているのにこの華のなさ…一体、普段はどれだけ地味なのかと心配になるほどです。

−ま、そもそもコジマが地味だからな。

なんて、すみません。ハレの席に言うことではありませんね。

…ええ、悔しさ半分であることは認めますよ。

まさかずっと下に見ていたコジマが実は上司から評価が高く、僕より給料が多かっただなんて…そんなこと知ってしまって、嫉妬しないでいられるわけないじゃないですか。

ただコジマの妻が地味めだったという事実は、僕の自尊心をかろうじて保たせてくれました。

というのも、僕には最近できた自慢の彼女・みな実の存在があったから。

損保OL・里香と別れてから本格的に再開したお食事会で、大手IT企業に勤めるみな実と出会ったのは半年前のこと。

僕と同じ慶應経済学部卒で、2歳年下の28歳。頭がよくて話も面白く、さらには気遣いも完璧。そして何よりすれ違う男という男が必ず振り返るほどの美貌の持ち主なのです。

−みな実となら、結婚もアリだな。

浮かれる僕はそんな妄想まで繰り広げていました。

…みな実の実際を、よく知りもしないままに。

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