ロマンスが恋しくて Vol.12

年齢がコンプレックスとなってしまった婚活歴15年の女は、幸せを掴めるか?「ロマンスが恋しくて」全話総集編

いつの頃からか、「婚活してるの?」とすら聞かれなくなった。

幸せになりたいと願う気持ちは、何歳になっても変わらないのにー。

35歳を過ぎてから「独身」がコンプレックスとなっていく女。婚活歴15年の山崎真理子も、まさにそういう女だった。

顔は悪くない、性格は難なし、仕事は順調。結婚願望は今もある。

—40歳になったって、恋愛も結婚も仕事も、諦めたくない。

これは、年齢を重ねるにつれて“幸せになること”を諦めかけていた女が奮起し、幸せ探しを再スタートする物語である。

「ロマンスが恋しくて」一挙に全話おさらい!

第1話:「最近キスしたのいつだっけ?」婚活歴15年の女が、絶対幸せになると決めたワケ

—ああ、疲れた。やっぱり無理してお食事会なんて、行かなきゃよかったわ…。

「山手通り沿いのドンキホーテあたりまで」と運転手に告げ、恵比寿からタクシーに乗り込んだ真理子は、ドサリと後部座席にもたれかかった。

会社の後輩・日下部ひなの(33歳)に誘われて参加することになった、木曜夜の恵比寿『福笑』でのお食事会。お相手は、外資コンサルティングファームの男たちだった。

「真理子さん、肌がとっても綺麗ですね!」
「真理さん、絶対モテるって!結婚していないのは、相手を選びすぎなんじゃないですか?」

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第2話:「子ども、産みたい…?」誕生日に絶望感を抱いた独身の女が、“女の本能”で感じた欲求とは

「ねえ、真理子。子供についてはどう考えてる?」
「子供…」

真理子は返答に詰まってしまった。そもそも、30代の頃から結婚に焦ってきた理由のひとつが、子供をどうするかという問題も抱えてきたからだった。子供のいない人生もアリかもしれない、と何度か自分に言い聞かせようとしたけれどー。

真理子は思い切って、恵子にしか話せない本音を伝えることにした。

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第3話:婚活中のアラフォー女が、誕生日当日に人前で涙を流してしまった理由とは

彼女の笑顔には、年齢を重ねたら自分もマダムみたいになりたい、と思わせるような美しさと品がある。真理子にとっては、憧れの人なのだ。

だけど、彼女には温かさもあって、その声を聞くとどこか懐かしくてほっとする。彼女がお湯を沸かす音を聞きながら、真理子はぼんやりと考えていた。

いつの頃からか「真理子さん、真理さん」って呼ばれることが増えたせいか、「真理ちゃん」と誰かに呼んでもらうだけで、心がふわっとつつみ込まれような気持ちになるのだ。

「どうしたの?真理ちゃん、深刻な顔して」

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第4話:久しぶりのデートに理性を失った女。彼女が男から言われた、最低の一言とは

―えっ…ひなのと黒田さん、二人でゴハンに行ったの…?

真理子は、職場のデスクで凍りついていた。さっき確かに、ひなのが黒田に「土曜はごちそうさまでした」と言っているのが聞こえたのだ。

途端に頭の中で、ネガティブな妄想がぐるぐると回り始める。

ーもしかして、ひなのって黒田さんのこと狙ってるのかしら?

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第5話:「これって、誘われてる…?」夜20時、男と二人きりのオフィスで何かを期待してしまった女

黒田と二人っきりになってしまった状況にドキッとして、とっさに素気ない返事をしてしまう。

―これってどう返事するのが正解だった?ひなのならこんな時、“大丈夫じゃないです~。なんだかお腹すいちゃった”とか言って、にっこりほほ笑むのかしら…。

静かなオフィスで、黒田と二人きり。パソコンの音だけが鳴り響いている。

オフィスに二人っきりという環境で、耳だけが敏感に黒田の動きを追ってしまう。なんだか集中力が途切れてしまい、結局30分ほど仕事した後、帰り支度を始めたところを黒田に呼び止められた。

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第6話:「彼がこんな顔するなんて、知らなかった…」謎めいた男が見せた一面に、女心を鷲掴みにされた夜

婚活中のひなのも、どうやら悩みをいろいろと抱えているらしい。

「そう考えると35歳の黒田さんが独身って奇跡ですよねー。しかもエリート。なんか結婚できない深―い事情とかあったりして。なーんてね」

突然ひなのが黒田の話題を振ってきたので、真理子はさりげなく尋ねる。

「…黒田さんって彼女いるのかな?」

するとひなのは箸を止め、真理子の顔をじっとみつめながら答えた。

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第7話:「キスから始まる恋もある?」旅先で出会ったイイ男に、思わず身を委ねてしまった女

ーとうとう来ちゃった…!マンハッタン…。

夏季休暇、真理子は一人でニューヨークにやってきた。JFK空港に到着し、マンハッタンに向かう車内から、キラキラ輝くニューヨークらしい夜景が見えてくる。途端に胸が高鳴り、頭の中にSATCのテーマソングが流れてきた。

今回、アッパーウエストサイドにあるマダムの友人宅に滞在させてもらうことになっている。

ーどんな旅になるんだろう…!

窓の外を眺めながら、期待で胸を膨らませるのだった。

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第8話:ひと夏の恋が、本気の関係に…?旅先で知り合った男と、“最後の夜”を過ごした女

旅立つ前から気になっていたから、その昔日本で体験レッスンをした時に用意したバレエシューズとレオタードは、念のため持ってきている。

でも、「ニューヨークでバレエ体験なんて、未経験の私には図々しすぎるのでは」という考えが何度も頭をよぎって、二の足を踏んでいた。

ところが、街の空気がそうさせたのか、ニューヨークで旅を続けているうちに“未経験だからこそチャレンジしたい”という気持ちの方が上回る。そして昨夜、ネットで調べて良さそうなところを見つけ、思い切ってレッスンを申し込んだのだ。

初心者でもOKの「ビギナークラス」に申し込んだが、このあと真理子は早くも後悔することになるのだった。

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第9話:「もう我慢するのは、やめたの…」。積極的に男を誘った女が、撃沈した理由とは

日本に戻った真理子は、久し振りに会社に出勤した。お土産のチョコレートを配りながら挨拶していると、ひなのがいつもの調子で話しかけてくる。黒田の方をちらりとみると、相変わらずクールに仕事をしている。

お土産のチョコレートを「どうぞ」と渡すと、黒田は少しニコリとして「ありがとう」と受け取った。ニューヨーク旅行中はLINEで密にやりとりしていたのに、いざ対面すると、あくまで上司と部下の関係でいつも通りの風景だ。

でも真理子は彼に対して、ある行動を起こそうとしていた。

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第10話:「急なお泊まりデートなんて、無理…!」恋愛“ご無沙汰”期間が長すぎた、女の葛藤

真理子がニューヨーク一人旅から戻って、あっという間に1か月が過ぎた。宏人とは、あれから緩やかなペースで連絡を取り合っていたが、今日は出張で日本にやってきている彼と、1か月ぶりに会うことになっている。

―プロポーズされて以来会うと思うと、どんな顔をして会えばいいのか…

少し緊張しながら、職場から待ち合わせ場所の『暗闇坂宮下 麻布』までタクシーで向かう。

店に入ると、先に到着していた宏人が「久しぶり」と手をあげた。彼の穏やかな笑顔は、真理子の緊張を溶かす。乾杯をして、食事がスタートした。

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第11話:「一生独身かと思ってました」。33歳の後輩女子から、痛烈な一言を言われた41歳の女

宏人のプロポーズを受けたものの、自分の気持ちがついていっていないことに気がついていた。

一泊温泉旅行だって、宏人は来週末に向けて相当テンション高めだが、真理子は中途半端な状態で旅行に行ってよいのかと、少し罪悪感もある。

こんな貴重な機会を逃したら一生結婚できないかもしれないという気持ちと、このまま本当に進めてもよいのだろうかという気持ちの間で、揺れ動いていた。

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