欠点のない、完璧な男などこの世にはいない。
人には誰でも長所と短所があるものだ。
しかし、女性が絶対に許せない短所を持った男たちがいる。
浮気性、モラハラ、ギャンブル、借金、ストーカー…
そんな残念男ばかり引き寄せる女が、もしかしたらあなたの周りにもいないだろうか。
橘梨子(たちばなりこ)、32歳もその一人。人は彼女を「男運ナシ子」と呼ぶ。
この話は、梨子がある出来事をきっかけに、最後の婚活に挑む物語。
彼女は最後に幸せを掴むことが出来るのか、それとも…
「男運ナシ子」一挙に全話おさらい!
第1話:「美人なのに、男運ゼロ…」。20代を残念男に捧げた32歳女が、最後の婚活に挑むワケ
「梨子さん、あれだけ美人なのに仕事もできるなんて、ホント完璧だよね…」
「全てを手に入れた女、って感じよね」
美貌も仕事も、何もかも手に入れた女ー。梨子は常に人からそう呼ばれ、一見パーフェクトな人生を歩んでいるように見える。
だけど彼女には、たった一つだけ欠けているものがあるのだ。
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第2話:「もう、顔で男を選ばない」と決意した瞬間、運命の出会いが…?32歳女の前に現れた開業医の男
2人にはこの場で婚活宣言をしようと決めていた。今回の手術を経験して心に芽生えた、"最後の婚活に挑む"という強い決意を伝えたかったのだ。ところが、竜也と陽菜は明らかに何か言いたそうな顔で梨子を見ている。
「でも…梨子…」
「どうせ、"男運ナシ子"って言いたいんでしょ」
これまでもさんざんそう呼ばれてきたから、前の梨子だったら、自分の男を見る目に全く自信が持てずにいた。だけど今は違う。梨子は、入院生活中に自分の恋愛の何がいけなったのかを振り返ったのだ。
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第3話:イケメン開業医の、まさかの裏の顔。デート直後、女が店の前で目撃した悪夢のような光景とは
一息ついた頃、スタッフの一人が頬を紅潮させて駆け寄ってくる。
「今の売り上げ、このフロアで1位です!オーガニックで初めて店舗売上1位いくんじゃないですか!」
その言葉に、梨子は心から充実感でいっぱいになったのだった。無事に閉店時刻を迎えると、スタッフ一人一人に労いの言葉をかけ、梨子はカバンをつかんだ。
「今日は梨子さんと一緒に飲めると思ったのに…」
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第4話:デート中に男がスマホばかり見てたのはナゼ?思わずゾッとする理由に、女がとった行動とは
智也とのデートを終え、店の前で別れた後、傘を取りに戻った梨子の目に飛び込んできた光景は、あまりに衝撃的だった。
「今までともちゃんが連れてきた中では、いい線いってると思うわよ。ただね、ちょっと仕事がんばってます!感が鼻につくわよね」
「ママはキャリアウーマンに厳しいんだから」
ーえ…?これってどういうこと…?いつからお母さんがいたの…?
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第5話:LINEの連絡がマメすぎる男にご用心!2回目のデートで明かされた、男の恐ろしい本性とは
「梨子ちゃんも、ますますいい女になってくな。今度2人で飲みに行こうよ。色々と積もる話もあるしさ」
―仕事相手としては尊敬できる人だけど、健三さんはキケンだなぁ。バツ3だし、業界でも女癖の悪さで有名だから。
どうやって断ろうか思案している梨子に、助け舟が入った。
「健三さん、まさか現場で橘を口説いてないですよね」
その声に驚いて振り返ると、同期である宣伝部の竜也だった。
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第6話:「女なら、男の都合に合わせろよ」。お見合い相手から否定され続けた、32歳キャリア女の悲劇
お見合い相手の直樹との2回目のデートは、梨子にとって辛く長い時間になっていた。
1回目のデートの後、深夜に送られてくるLINEに違和感は抱いていた。でも、まさかここまで酷い男だったとは想像していなかった。
梨子はワインを飲むどころか、すっかり食欲をなくし、目の前にいる直樹を冷めた目で見つめる。直樹は「女なら男の都合にあわせろ」と一方的に熱くまくし立てている。
―海外経験も豊富な直樹さんが男尊女卑で、しかもモラハラ男だったなんて…
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第7話:10年来の友情は、三角関係だった。好きな男が親友に想いを寄せていると気づいた、女の本心
俺のプライベートな事情が原因で彼女の親から猛反対を受けた。すると彼女はあっさりと俺を捨てて、親に紹介された男と結婚してしまったのだ。それは、他の女性に一度でも目移りをした俺に、神様が与えた罰だったのかもしれない。
ひとつだけ確かな事は、相手の親に結婚相手として失格の烙印を押された男なのだということだ。その出来事は、いつまでも抜けないとげのように心に刺さり、俺は決意した。
―もう、結婚はしなくていい。
そう思っていたはずだった。
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第8話:「6人の男から一斉に連絡が…!」結婚相談所で知った、32歳美女の市場価値。彼女が一発逆転した方法
「最初は抵抗があるかもしれませんが、プライベートなこともアンケートに記載していただきます。例えば、実家との関係、健康状態、趣味、得意料理、結婚相手に求める条件などがその例です」
就職試験でも聞かれなかったようなことを、答えなくてはいけないのかと思うと、気が重くなる。
ー婚活って、究極の自分探しかもしれない。
多岐に渡る質問項目の中でも、梨子を悩ませたのは、「お見合い相手への自己PR」そして「結婚相手に求めるもの」を回答することだった。
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第9話:婚活疲れが限界に…。結婚向きな“The平均値男”に油断して、女がハマった罠
「梨子?聞いてる?」
名前を呼ばれ、梨子は我に返る。
―10年近くも友達の竜也のことを急に理想だと思うなんて…。私、婚活のしすぎでどうかしちゃったのかもしれない。
そう自分に言い聞かせたが、その後もしばらく胸がドキドキと高鳴ったままだった。しかし、梨子に宿った竜也への想いは、すぐに砕け散ることになるのだ。
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第10話:「これって、運命…?」1日2回のお見合いをこなす婚活女子が、ついに出会った最高の男とは
次のお見合い相手、38歳IT企業経営―藤田聖人(ふじたまさと)とは、恵比寿の『春秋ユラリ』でランチをする約束になっている。
約束の時間、13時ちょうどにお店に入ると、すでに藤田聖人は到着していた。
梨子の姿を見るとすぐに気が付いたようで、大きく手を振ってくれる。席に向かうと、彼は立ち上がって笑顔で迎えてくれた。
「梨子さん、今日はお忙しいのに時間を作ってくれてありがとうございます。藤田ですっ!」
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第11話:「まさか、あの人が経歴詐称…?」婚活に勤しむ32歳の女を動揺させた、衝撃の知らせとは
深夜まで眠れなかった梨子は、翌朝、電話が鳴る音で目が覚めた。
「もしもし、橘様の携帯電話でしょうか?株式会社ディスティニーブライドの小西でございます」
それは、結婚相談所の担当者からだった。しかしその電話の内容は、梨子の眠気を一気に吹き飛ばすものだったのである。
「大変申し訳ございませんが、弊社側の事情で、しばらく紹介業務を停止させていただきます」
「え…!?どういうことですか?」
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第12話:婚約破棄された男と、過去を清算しようとした女。2人が誰にも言えない秘密を共有した夜
―いや、俺のわがままで、梨子の気持ちをかき乱すことはできない。
友達でいるべきか、気持ちをきちんと伝えるべきか。考えても考えても、正解の出ない問いだった。
そんな矢先、人事部に呼ばれて、約束の時間に会議室に行くと、社長が待っていた。何かやらかしたかな、と少し不安になりながら席に座る。
すると社長は、俺が思ってもいないことを口にしたのだった。
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第13話:出会って2回目で、50万円の贈り物…?38歳経営者男から、プロポーズ同然の告白をされた女
梨子は、自宅のPCで結婚相談所のホームページを開いていた。お見合いをした2人のプロフィールをもう一度読みなおそうと、山田崇と藤田聖人のページをクリックするのだが、どちらも出てこないのだ。
―メッセージくれた他の人は表示されるのに、おかしいな…。
もしかして2人とも退会したのだろうか。疑問に思っていると、ちょうど聖人からLINEが届く。
“今週末、お食事しませんか?”
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第14話:ついに本性を現した結婚詐欺男。32歳の婚活女子に忍び寄る、恐ろしい魔の手
1万人の中から、経歴詐称の男性を引き当ててしまった。その事実に、梨子は頭を抱えていた。
目の前では、山田崇が頭を下げ、経歴詐称をしていたことを詫びているのだ。我ながら、あまりの男運のなさに呆れてしまう。
すると、先ほどまで殊勝な顔をしていたはずの山田が、力強い目つきでまっすぐこちらを見つめ、自分が経歴詐称をした理由を語り始めた。
「僕はあなたを試していました。言わば、妻になるための試験です」
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第15話:全身に蕁麻疹が…。変わり果てた美女を救ってくれた男友達の愛の告白。
梨子の身体に異変が起きたのは、藤田聖人と会った帰り道のことだった。
―なんだか、身体が熱くて痒い…。
腕を見てみると、今まで見たことのないような、赤いぼつぼつした蕁麻疹ができている。しかもそれは、身体中に拡がっていた。
「嫌だ。なにこれ!?」
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