女たちの選択 Vol.2

「自分が不幸だなんて、知らなかった」清純な妻が、妖しい色香を纏う女に化けた理由

—“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定観念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

選択の結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。結婚願望が強い女・美香(34歳)に続き、今回は人妻の真弓(32歳)に話を聞いた。


「何事も、重要なのは“バランス”だと思いませんか」

まるで自分に言い聞かせるように、真弓は静かに目を伏せた。

「ひとりの男性に永遠の愛を誓う時代でもないじゃないですか。なら子どもたちのために、円満な家庭を築ける道を選んだだけの話です」

口調こそ穏やかだが、そこには何かを振り切るような、投げやりとも思えるような意思の強さが伺える。

「私は23歳で長男を産んだんです。年子の娘も小学生になりました。主人はひと回りも年上ですし、もうどうやっても“男女の仲”には戻れませんから」

そうしてニコリと微笑んだ真弓の表情には、粘るような色気があった。

若くして結婚した女というのは、その時点で時間が止まってしまったような、ふわりとした空気感を纏っていることが多い。

しかし真弓は、清純と色香という相反する不思議な気配を漂わせていた。

「私のこと、最低な母親だと思うでしょう。でも...」

さらに彼女は、衝撃的な言葉を口にしたのである。

「子育ても落ち着いたし、外で恋愛でもしてみたら?と私に提案したのは、主人なんですよ」

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