三人の男たち~夫婦の問題~ Vol.5

結婚5年、外コン夫とすれ違いの日々。31歳妻は夫を誘ってみるも拒否されたワケ

◆これまでのあらすじ

数年ぶりに再会した、医師の陸と外資コンサル勤務のミナト、そして弁護士の幸弘。

3夫婦それぞれが、セックスレスで悩んでいた。

ミナトは妻で元モデルのカリンとの夫婦関係に悩んでいるようで…。

▶前回:「2年も一緒に寝てないのは、健全じゃないと思う」31歳妻が夫に相談したら…


外資コンサル・辻 ミナト/元モデル・辻 カリン夫婦


深夜2時。

神谷町のタワマンに帰ってきたミナトは、玄関のドアを、音を立てないようにそっと開ける。

忍び足でリビングへ向かうと、ソファがぼうっと光っていて、そこに髪の長い女の影が見えた…。

「ヒッ」

思わず悲鳴をあげ、慌てて電気をつけると、妻のカリンだった。

「な、なんだよ、びっくりした…」

怯えるミナトに、カリンはふーっとため息をつく。

「ねぇ、今日…もう昨日か。何の日か覚えてなかったの?」
「え、あ、何だっけ?」
「……。やっぱり、もういい」

怒りと諦めの表情でぷいっとそっぽを向くと、カリンはそのまま寝室へと消えていった。

ミナトは、慌ててスマホを確認する。

― 何だっけ?結婚記念日は先月だったし、子どもの誕生日はまだだし…。あ、もしかして、カリンの誕生日…?

ミナトは、「しまった」と一瞬思ったものの、だんだんと腹が立ってきた。

そもそも、大人になってまで自分の誕生日を祝ってほしいだなんて、カリンは子どもじみている。ミナト自身は、カリンが自分の誕生日を忘れていようが、何とも思わない。

― それに祝ってほしいなら、事前にアピールでもしてくれればいいのに…。

平日夜遅く、仕事で疲れて帰ってきた夫に対して、労いの言葉ひとつもなく誕生日を忘れていたことを責めてくる。

「はぁ、めんどくせ…」

ここのところ、仕事がずっと立て込んでいる。

明日も、朝6時には家を出なければならない。

こんなことに、脳みそを割いている余裕など、まったくないのだ。

ミナトはザッと熱いシャワーを浴び、負の感情もすべて洗い流そうとした。

ミナトの日常


「うわ、お前、もう来てんのかよ?」

午前6時25分。

短い睡眠でボーッとした頭のままミナトが出社すると、すでに同僚が何人か来ていた。

その中には、ミナトより遅く帰ったやつもいる。

「俺、睡眠2時間あればいいから」

明るく言うと、彼は鼻歌でも歌うように楽しげに資料をめくる。

この会社に来て、一番驚いたのが、化け物みたいなやつがいること。

ミナトはそれなりに要領も頭もよく、大学までは何の苦労もしなかった。

昔から人と話すことが好きで、新卒で大手総合商社に入った。

ただ、商社での体育会系のノリや、年功序列に嫌気がさし、今の外資コンサルに転職したのだ。

この記事へのコメント

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〜(o^ 3 ^o)チュッ
なんてこんなキモい顔文字使うの、50過ぎたおじさんおばさんだけかと思ってた。
2024/05/03 05:1433返信1件
No Name
もうちょっと深くて考えさせられるお話かなと思ったけれど、ありきたりですごくつまらない。セクシーな下着で迫る所とかもう寒々しいったら。”してもらえない妻“ を雑に描き過ぎかな。
2024/05/03 05:1932返信3件
No Name
カリンにも問題はあるけど、ミナトの「人の金で…」のくだりがすごく腹が立った。カリンが育児や家事をしてくれているからミナトは仕事出来るはずなのに。自分1人の力で家族を養っているつもりなのか?
多分今の職場も合ってないんだと思う。再度転職してもう少し余裕のある生活になればこんなこと思わないはず。でも子供がまだ小さいこと考えるとなかなか転職に踏み切れないのかも。難しい。
2024/05/03 07:4423
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