2019.03.19
東京デュアルライフ〜2拠点目を選ぶ大人の事情〜 Vol.1
経営手腕に長け、部下にも慕われるトニー。
会社を大規模に急成長させて余裕がでてきた45歳の時、「人生折り返し地点」で今後のビジョンを考えて、次は“自分の人生と社会貢献のために生きる”と決意したそうだ。
また、ちょうどその頃トニーは父を亡くした。最後は病院で闘病生活を送っていた父の姿を見て、自分は人生の最期をどこで過ごすか、死ぬ瞬間に自分は何を思うのかを考えるようになった。
そうして、自分の大好きな場所で過ごし、生きていた証を何か残せる仕事をしたいと考えるようになったとのこと。
もともと沖縄は、仲間たちと何度も遊びに行っていた場所。温暖な気候と豊な自然が気に入って沖縄のファンになった。
そして次第に、どうせ頻繁に遊びに行くのだから、ここにもう一つ拠点が欲しいという気持ちと、沖縄に貢献したい思う気持ちが芽生えた。
「それまでのコンサル会社を売却して、新たに投資会社を設立しスタートアップ企業に投資しています。昔の僕みたいに起業したい若者を応援したかったから。そして、それとは別にもう一つ、僕の沖縄好きを理由に、沖縄に観光系PR会社を作っちゃいました」
40代半ばに入ると残りの人生を考えて自分の人生目標を修正し、今までとは違う人生を生きようとしたり、自分が得たものを社会に還元したくなる時期に入ると聞いたことがある。
トニーも父を亡くしたというタイミングも重なり、45歳で港区生活をリセットし沖縄での生活をスタートさせ、自分の社会的成功を若者に還元したいと思う心境の変化が表れたのだろうか。
沖縄暮らしの思わぬ誤算?
東京と沖縄のデュアルライフ、どのくらいの頻度で行き来しているのか聞いてみた。
「沖縄には1ヶ月のうち4分の3くらい滞在していて、東京でも仕事があるので行ったりきたりしてます。フライトも東京↔︎沖縄便は各種航空会社合わせると1日30本あるので不便は感じてないですね」
1日30本以上とは、片田舎のバスの数より断然多い。これは確かにデュアルライフはしやすいだろう。
沖縄に暮らし始めて、嬉しい誤算があるという。それは、健康になったことを実感すること。
それまでは、朝まで港区界隈を飲み歩き、疲れた時は銀座のサロンでのにんにく注射が欠かせなかった。でも今はその必要が無くなったそうだ。
「東京にいた頃は全くやってなかったけど、沖縄に住み始めてから時々朝走るようになりました。休日の過ごし方も変わって、高級レストランでの食べ歩きではなく、ドライブしたり離島に遊びに行ったり。自然豊かな環境で、沖縄の湿った風に当たってるだけで楽しいですよ」
住む場所で遊び方が変わり、体が変わり、思考までも変化する。仕事にも新たなインスピレーションを与えてくれるから心に余裕を持って仕事ができているとのこと。
「こまっていること?東京の家のポストに郵便が溜まりすぎることかな。大事な書類とかが家のポストに入りっぱなしということがあるので、秘書に定期的にチェックしてもってますが。あとは台風の影響で飛行機が予定通りに運行しないことがあるくらいかな」
“年収は、もはや把握できない?”
好きな場所で快適に仕事をしてお金を生み出す。なんと優雅な生活だろうか。
最後に、年収のこともさりげなく聞いてみると…。
「年収ですか?資産が沢山あるので正確な年収は自分でも把握できていないです。不動産はもちろん馬や小さなスポーツチームも持ってますよ。僕の場合、お金は洋服や趣味など自分のための消耗品に使うのではなく、応援したい人や企業、そしてチームに使うことにしています。誰かをハッピーにするために使うお金、そっちの方がずっと使い途としては有意義だと思いませんか?」
最近、欧州ではビリオネラーがクラブチームを保有・運営することが社会的なステータスと言われていると聞いたことがある。トニーもそのような考え方の持ち主なのだろう。
デュアルライフを謳歌するトニーは、港区女子の平和を願う「港区おじさん」から、日本の若者の繁栄と幸せを願う「沖縄おじさん」に昇格していた。
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