結婚だけが女の幸せではない。
自ら望んで独身を貫くのなら、何も問題はない。
しかし実際には「結婚したいのに、結婚できない」と嘆く女たちが数多く存在し、彼女たちは今日も、東京の熾烈な婚活市場で戦っているのである。
2017年上半期に連載していた結婚できない女では30代前半の事例を紹介し、その共通点を探った。
平成27年国勢調査によると、35~39歳の女性のうち未婚者の割合は23.3%。
約4分の1が該当する、Over35歳の“結婚できない女たち”を観察してみよう。
「結婚できない女〜Over 35〜」一挙に全話おさらい!
第1話:顔もスタイルも文句なし。36歳でもグッとくる女に、男が萎えた瞬間とは?
36歳になっても佳恵は若い頃のスタイルを完璧にキープしていて、無駄な贅肉の類はどこにも見当たらない。
僕の方も一応、休みの日にジムに通うなどして気をつけてはいるが、それでもやはり20代の頃の体型とは違っている。
「佳恵って、何か運動してるの?顔もだけど、体型も全然変わらないよな」
それは、純粋な興味からの質問だった。しかしこの会話をきっかけにして、僕の心はみるみる萎えていってしまうこととなる。
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第2話:37歳、ついに理想の恋をした。結婚できない独身女を救う、絶世の美男子の正体とは?
「嫁とは同居人みたいなもの」
「(妻子はいるけど)友里恵ちゃんが好きなんだ」
そんな卑怯な男たちによって、友里恵は幾度となく、男という生き物に幻滅させられた。
そして、昨年の冬。さらに友里恵を深く傷つける事件が起きた。
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第3話:「1人じゃ満足できないの…」常に3人の男をキープ。結婚できない37歳女の、生々しい事情
琴美としては別に、“男にモテる私”を鼻にかけているわけではないようだ。むしろその表情には、どこか諦めや憂いさえ滲んでいる。
琴美はナチュラルに手櫛でふわり、と前髪をかきあげると、ぽってりとした唇を少しばかり尖らせ、呟くように話し始めた。
「私だって本当は、一途な恋がしたい。37歳にもなって複数の男をキープして喜ぶような悪趣味な女じゃありませんから、私。でも…どうしても一人の男を愛せない。満足できないんです」
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第4話:美人なのに、なんか残念。結婚できないOver35の女に漂う“場末感”の正体とは
顔の方も…美人かそうでないかと言えば、美人だ。目鼻立ちのすべてが大きく華やかで、男好きしそうな色気がある。若い頃は、それは引く手数多だったろうと容易に想像がついた。
…今、あえて“若い頃は”と付け加えてしまったが、それは彼女が、先日35歳の誕生日を迎えたことだけが理由ではない。
歳を重ねても素敵な女性は数多くいるし、むしろ若い頃より魅力を増す女だっている。
しかし梨華に関しては、そういう類の女ではなかった。どうしても拭えない、そこはかとない“場末感”が漂ってしまっているのだ。
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第5話:これをやったら、結婚できない女まっしぐら?Over35女が出会いを求めなくなった理由
独身に返り咲いた敦子とは違い、加奈はもうかれこれ婚活10年以上の歴を誇る。
正直言って、もう飽きた。疲れ切ってしまってもいた。仕事が早く終われるならば、特に興味もないおじさん達に愛想を振りまくよりも家でゆっくり体を休めたい。
もともと昔から、人におべっかを使ったり、思ってもいない褒め言葉を言うのは苦手だった。結婚したくないわけではない。どちらかというと、したい。
しかし今は家に一人でいるのが至福のひとときで、できることなら出歩きたくもなかった。というのも、加奈は1年前、35歳のときに思い切って大きな買い物をしたのだ。
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第6話:タクシー代は月8万。お金も時間も余裕ある、結婚できないOver35歳・女社長の日常
玲奈は百貨店で美容部員をしながら「このままでいいのか」と自問自答する日々を送っていたし、一方で亜美は無名のモデルをしながら彼氏の家を渡り歩くような、その日暮らしの生活だった。
一体どうすれば東京のど真ん中で、自分を輝かせることができるか。お金に苦労せず、できれば贅沢をして暮らしていけるか。
おそらく同年代のOLたちが恋バナに花を咲かせている頃、玲奈と亜美の会話はいつも仕事の話だった。
そうやってお互いに励まし合い、切磋琢磨しながら、二人は現在のポジションを確立していったのだ。
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第7話:「愛のある結婚しかしたくない」Over35歳の独身女にありがちな、恋愛傾向とは?
「世の中の女の子たちって本当、ドライというか強かというか賢いというか。素直に“すごいな”って思います」
とある休日の午後。
ホテルニューオータニの『ガーデンラウンジ』で、綾乃は右斜め前方を見つめたまま目を細めた。
視線の先には、おそらく結婚相談所か何かの“初顔合わせ”だろう。明らかにぎこちない、しかし努めてお互いに好意を持とうとしている妙齢の男女があった。
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第8話:結婚を遠ざける3大要因の1つなのに...Over35歳・独身女が“温もり”を求めた相手とは
執筆業はペンネームを使用していたため周囲はまったく知らなかったのだが、実は知世も名を記憶しているほどの売れっ子ライターがハルだとわかった時は、本当に驚いた。
さらに知世が驚いたことはあと2つある。1つは、ずっと都心で暮らしていたハルが昨年、ここ湘南にマンションを購入したこと。そしてもう1つは…。
「ま、独身街道爆走してるけどね(笑)でもいいの。私にはフランがいるから。ね、フラン♡♡」
これまで知世が聞いたことのないほど甘い声を出してハルが抱き上げたのは…真っ白くて小さなチワワであった。
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第9話:「離婚するつもりだから」男の常套句を真に受け7年をムダにした、Over35歳・独身女の告白
振り返ってみれば、一体私は彼の何を信じていたのか…疑問でしかないですね。
あの頃の私は完全に、“許されない恋”とやらに酔っていたのでしょう。醒めた今となれば失笑ものです。バカな女だって言われても仕方ない。
だって…結果だけを言えば23歳から30歳まで、若い肉体と色香が共存する、女にとって最高の時期を7年間も無駄にしたんですから。
それも妻子のある、18歳も年上の男に。
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第10話:結婚できない女が考えた、一発逆転の秘策。エリート外国人を狙うOver35歳の野望とは
「杏、見てよ。これ…俺が最近仲良くしてる女。可愛いだろ〜」
久々に飲もうと誘われ待ち合わせた『炭火シュラスコ Gostoso』で、大学時代の同級生・健太が「右の子ね」と言い添え無邪気にカメラロールを見せてきた。
「…若っ!!」
覗き込んだスマホ画面を一目見て、私は思わず叫ぶ。
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第11話:間違いだらけな“神頼み婚活”。スピリチュアルにハマりだす、結婚できないOver35歳女の実態
縁結びの神社やパワースポットは、はるばる伊勢まで訪れなくても東京に色々ある。しかし敢えて“お伊勢参り”を選び、さらには『アマネム』に泊まって豪遊するというのが、お金と自由を併せ持つOver35歳独身女の余裕である。
「そうね。私たち、来年こそ絶対に運命の相手に出会える。だってお伊勢さんに加えて、GWにはついにあのパワースポットに足を踏み入れるのよ…!」
常日頃から“言霊”の力を重視している知恵は力強くそう言うと、「絶対」と再び繰り返した。
年明けの伊勢神宮に加え“来年こそ”と意気込む二人がGWに訪れる、誰もがよく知る世界的なパワースポット。それはもちろん…そう、セドナである。
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第12話:20人以上とお見合いしても、未だ未婚。家事手伝いの36歳女が、いつまでも結婚できない理由とは
「…ねぇ、奈江ちゃん。本当にあなた、今後どうするつもりなの?」
隣に腰を下ろした母親にそう声をかけられ、私は「しまった」と後悔する。
『パティスリーSATSUKI』のケーキを買ってきたわよと誘われ、つい釣られてしまった自分を呪う。最近じゃ、顔を合わせるたび“この話”になることを、重々わかっていたはずなのに。
「あなた今日もお休みなのに家にいるけど、お付き合いしてる人とかいないの?若い頃あれだけお見合いさせてあげたのに、奈江ちゃんはすぐに“ここが嫌” “あそこがダメ”って文句ばかりで…」
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第13話:「美人なのに…どうしてまだ独身?」年収1,000万・高学歴ハイスペ美女が抱える唯一の弱点とは
「美人」という形容詞には、多少お世辞が含まれているかもしれない。だが顔立ちが整っていることに関しては真実だと自分でも思う。
さらに言えば、私は都内の有名私立大学を卒業しており外資系のIT企業で働くバリキャリ。年収1,000万の壁も超えており、散財するタイプでもないから、他の同年代女子と比べたら飛び抜けた額の資産も築いている。
忙しく働いている割には自炊もきちんとしている方だし、掃除や片付けも嫌いじゃない。いつ男の人が家に来ても大丈夫。
それなのに実際はというと…着々と彼氏いない歴を更新しているのだった。
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第14話:「優しい男は嫌い」完全にこじらせた36歳・未婚女の、ドMすぎる恋愛観とは
私の彼・フリーカメラマンの祐一は、付き合い始めて間もなく、あろうことか「結婚は考えてない」と一方的に通告してきた。当時、既にOver35歳だった私に。
結婚して子どもを産む。そういう普通の幸せを望むなら、さっさと見切りをつけるべきであることは私にもわかる。
しかし結局いくら親友に諭されても、必ずいつも同じ結論に舞い戻ってしまうのだった。
「だって、好きなんだもん…」
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