罠 Vol.1

罠:誰かが、私たちの結婚を邪魔している…?医師と婚約をした翌日、SNSに届いた不気味なメッセージ

孤独な半生


私は、法律事務所を経営する弁護士の父と専業主婦の母のもと、白金台の一軒家で生まれ育った。

母は私が産まれたとき、「雪のように肌が白いから、美雪」と名付けてくれたそうだ。しかし、その大好きだった母は、私が2歳の時に亡くなった。

そうして私は父によって育てられたけれど、その父さえも、5年前に亡くなってしまった。

小さい頃から、街で誰かのお母さんを見かけると、いつも目でその姿を追いかけていた。だから、いつか結婚して"お母さん"になることが、ずっと私の夢だったのだ。

9か月前に高貴と出会ったとき、すぐにこれは運命だと感じた。そしてついに、その大好きな高貴と結婚できる。

ーこれでようやく、"天涯孤独"な人生から抜け出せるんだ…。

窓の外に広がる星河のような光の煌めきに酔いしれながら、ワイングラスに口をつける。私はこの幸せな瞬間を胸に刻み込もうと、大きく深呼吸をした。


プロポーズの翌朝は、いつもどおり会社に向かっていた。

私の勤務先は、港区にある大手不動産会社だ。新卒で総合職として入社してから数年は営業を担当していたが、営業成績が評価され、今は念願の開発事業部に所属している。

「おはようございます」

オフィスに着くなり、目の前の席......


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