美しいひと Vol.14

彼の好きな人ってまさか…?憧れ続けた男の心を奪い去った、“圏外女”の正体とは

容姿にコンプレックスを抱く美咲麗華は、モテ男・平塚勇太に恋をし、あっさり失恋したことである決意を抱く。

−“美しさ”を金で買い、人生を変えてやる−

整形で“美人”の仲間入りを果たした麗華は、大学時代からの親友・大山恵美を通じてついに初恋の彼・平塚くんと再会するも、平塚くんに彼女がいることを知ってしまう

傷心の麗華は、外銀勤めのエリート・俊介と付き合い始めるが、平塚くんの彼女の裏切りを知った麗華は、たまらず真実を暴露

しかしこの行動が俊介の逆鱗に触れ愛想を尽かされてしまう。さらには恋敵・花音が俊介に再びアプローチして麗華の心をかき乱す。


「…入れば?」

玄関先で躊躇してしまった私に、俊介は視線を合わせぬままそう声をかけてくれた。ぶっきらぼうな言い方だが、声色は優しい。

私は促されるまま、相変わらず整頓されたリビングへと足を踏み入れる。

俊介の家の匂いがして、それは不思議と私の心を落ち着かせた。

つい先ほどマンションロビーで、また追い返されるかもしれないと怯えながら、私はインターホンを押した。すると思いがけず扉が開いて、ここに来ることを許されたのだ。

「…さっき、下で花音と会った」

言うべきか迷いつつも、タイミング的に伝えないのも不自然だろうと思って花音の名を出してみる。

しかし俊介は無関心に「ああ」と呟くだけで、それ以上何も語ろうとしなかった。

「私ね…俊介も気づいていた通り、付き合っている間もずっと心の中に別の人がいた。けど、俊介と会えなくなってやっとわかったの。私が本当に好きなのは、そばにいてほしいのは俊介だって」

後ろを向いたままの背中に向けて、私は勢いのまま俊介に想いを伝えた。再び心が怯えてしまう前に。このタイミングを逃したら、今言わなければ、俊介ともう二度と会えなくなってしまう気がして。

−せっかく綺麗になったなら、自信持ちなさいよ−

花音にぶつけられた言葉が、私の背中を押した。

「今さらもう遅いかもしれないけど…私は俊介のことが好き。俊介だけが、好きだから…」

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