美しいひと Vol.9

どうしてあんな普通の女が…?誰もが惚れるモテ男を射止めた“中の上の女”の正体とは

恵美と別れ帰路につきながら、私は一人ぼんやりと考えた。

恵美からは「思いを伝えろ」と、まるで自分のことのように熱く語られたものの、しかし何度考えても、そんな自爆テロのような真似をする気には到底なれない。

そんなことをしたら、まず間違いなくフラれる。

平塚くんにはっきりフラれてしまったら…私はもう、何を目標に生きればいいのかわからなくなってしまうだろう。

私は学生時代から、彼に認められたくて愛されたくて、それだけを目標にして綺麗になる努力を重ねてきたのだ。

その気持ちは、俊介という存在ができた後でさえ変わっていなかった。

俊介と多くの時間を共有することで、私の中で彼の存在は確かに大きなものとなっていた。

しかしながら俊介と向き合う私とはまた別の自分が、永遠に「平塚くんに愛されたい」と叫び続けているのだ。


岸さゆりの噂


それからしばらく経ち、同僚の花音が銀座ブティックを離れる目前の、ある日のことだ。

私の心で燻る平塚くんへの想いを、再び焚き付けるような出来事が起きた。

休憩時間にバックルームへ戻ると、花音を中心にして同僚たちが何やら盛り上がっている。

そのまま通り過ぎようとしたが、......


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