美しいひと Vol.11

「こんな彼、見たくなかった...」暴露された“不都合な真実”に、男がとった残酷な態度とは

容姿にコンプレックスを抱いていた美咲麗華は、大学時代に学年一のモテ男・平塚勇太に恋をし、あっさり失恋したことで、ある決意を抱く。

−“美しさ”を金で買い、人生を変えてやる−

社会人となり整形で“美人”の仲間入りを果たした麗華は、ハイスペ美男子の俊介から言い寄られちやほやされ調子に乗る。

そんな中、大学時代からの親友・大山恵美を通じてついに初恋の彼・平塚くんと再会

しかしその場で、平塚くんに彼女がいることを知った麗華は、傷心のまま俊介の元へ走り、彼からの告白を受け入れるのだった。

ところが平塚くんの彼女が大して美人ではなく、さらには別のフィアンセまでいることを知った麗華は、たまらず彼を呼び出す


私は今『マデュロ』で、平塚くんを待っている。

約束は21時。あと2分ほどある。

今日、私は18時に仕事を終えた後、急いで自宅に戻った。シャワーを浴び、いちからメイクも髪も整え直すためだ。

平塚くんに会うのだから、全て抜かりなく。最も美しい状態に自分を仕上げておかなければ。

平塚くんに、綺麗だと思ってもらいたい。彼の瞳に、少しでも魅力的に映りたい。

そんな風に願いながら身支度をする時間は、それだけで心が踊るものだった。

もうすぐ、彼がここにやってくる。私に会うために。

その事実があまりにも眩しすぎて、私はともすると、今夜の“目的”を忘れそうになっていた。


「ごめん!待たせちゃって」

約束より10分遅れて、平塚くんはやってきた。

俊介が遅刻した時はわかりやすく不機嫌になる私だったが、平塚くんの場合はまったく嫌な気持ちがわかない。来てくれただけで、嬉しい。

「ううん、全然。忙しいのにありがとう」

平塚くんの笑顔は、昔から変わらず穏やかで優しくて、美しい。私はそんな彼の横顔をそっと盗み見ながら、改めて“岸さゆり”のことが許せない、と思った。

あんな、“普通の女”の分際で。

こんなに素敵な人を、傷つけるような真似をするなんて。

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