美しいひと Vol.1

美しいひと:美人は生涯で3億の得をする。“美しさ”を金で買えば、女は幸せになれるのか?

美人は不美人より、生涯で3億円の得をする。

まことしやかに囁かれる都市伝説だが、あながち嘘とは言い切れない。

幼少期に「可愛いね」と言って差し出されるお菓子に始まり、年頃になれば美味しい食事や高価なプレゼントに恵まれる機会も、美人の方がやはり多いに違いない。

就職活動にすら“顔採用”という言葉があり、結婚においても玉の輿にのる女性は美人である確率が高い。

では、不美人に生まれた女は、ただただ苦汁を舐めるほかないのだろうか。

…そんなのは、嫌だ。

これは“美しさ”を金で買い、人生を変えてやろうと目論んだ、とある女の物語。


完全に名前負け。美咲麗華の憂鬱


私の名前は美咲麗華(みさき・れいか)。

麗しく、華やかな女性に。

両親はそんな願いを込めて名付けてくれたのだろうが、私はこの名が嫌いで仕方がない。だって、どう考えても、私には似合わない。

顔の輪郭や歯並び、肌などの素材は、決して悪くない。

しかし重たい一重の瞼はどんなにアイプチで誤魔化しても、天然のくっきり二重が放つ目力には到底及ばない。睫毛だって短く、薄い。

鼻筋は一体どこに行った…?と尋ねたくなるぺちゃんこの鼻も、ずっとずっとコンプレックスで自信が持てず、私は年頃になるととにかく目立たぬことを願うようになった。

名は体を表すというが、生まれてからずっと「麗華」と呼ばれ続けてきたはずなのに、いつまでたっても麗しくも華やかにもならない自分を、私はとっくに諦めていた…はずだった。

晴れて第一志望の有名私大に合格し、地元・岡山から上京して、“あの人”に恋をするまでは。

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