美しいひと Vol.10

「絶対に許せない...」大好きな男が二股されていた。彼を救うため、整形美女がとった行動とは

「平塚って…最近、朝のニュースでスポーツやってる、あの爽やかイケメン?私、実はかなりタイプなんだけど」
「え、でも岸さゆりさんって、政治家の息子かなんかと婚約してるって花音が言ってなかった?」
「何それ。ってゆーか、どっちに転んでも羨ましすぎない?」

キャッキャと盛り上がる皆の声が、どんどん遠くなっていく。

皆が「平塚」と呼び捨てにするたび、美しく高貴な存在の彼が汚されていく気がした。

−許せない。

こんな風に、平塚くんがネタにされている元凶の岸さゆりが、平塚くんのことを他の男と天秤にかけるような真似をする彼女のことが、どうしても許せなかった。

だいたい、平塚くんをその辺の男と一緒くたにするなんてあり得ない。

政治家の息子だろうが財閥の御曹司だろうが、平塚くんに敵う男なんていないのに。

私はまるで自分がバカにされているような気分になり、怒りで身体が小刻みに震えてしまうほどだった。

そしてその時にはもう、私は俊介の忠告など完全に忘れてしまっていたのだ。


私は恵美が作ってくれたグループLINEで、平塚くんの連絡先を知っていることを思い出した。

“この間は、途中で帰ってしまってごめんなさい”
“平塚くんに話したいことがあって、よかったら近々会えませんか?”

おしゃべりに夢中になっている皆に隠れ、私はテーブルの下でひとり黙々......


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