今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.19

「よく分からない」じゃ恥ずかしい!鮨屋でワインを頼むなら知っておきたいこと

――きゃ〜。柳さんに叱られた。

柳「小学生の頃、錆びた鉄棒で逆上がりを何回もさせられたことない? そのときに手にかいた汗の匂いを想像してもらえばいいかな?」

――想像しただけで鼻がもげそうです。

柳「でもね、魚の過酸化脂質って鮮度の問題だから、イキのいい魚をネタに使っていれば、そもそも生臭みは出ないはずなんだよね。」

――たしかにそのとおりですが、近頃は肉も熟成、マグロも熟成が流行りです。

柳「そこよ、そこ。じつは過去2回にわたり、ワイン専門誌で鮨とワインのマリアージュを検証したことがある。テイスターがこれなら合うだろうというワインを持ち寄ってね。」

――して、その結果やいかに?

酵母と熟成させたワインはヒカリモノの生臭み知らず


柳「面白い発見がいろいろあった。カツオやマグロのような赤身の魚には赤ワインと思いがちだけど、意外にも白のほうがよく合ったり、逆に脂の乗った寒ブリにスパイシーな赤が合ったり。

いろいろ寄せ集めたワインの中で、個人的に興味深かったのがレトワールという、フランス東部ジュラ地方の白ワインだったな。」

――ジュラとはまたマニアックな!

柳「だんだん衰退しつつあるけど、この地方のワインは伝統的に、フロールと呼ばれる酵母の膜が張った状態で樽熟成させる。この酵母がワイン中の鉄分と結びついて沈殿するので、過酸化脂質に反応することがないらしい。

それにもともとゆるやかに酸化熟成させたワインだから、鉄分は三価の鉄イオンに変化して生臭くならないんだとさ。」

――ほ〜(わかったフリ)。そのワインととくにぴったり合ったネタは?


柳「驚いたことにコハダ。酢で締めたヒカリモノという難しいネタなのに、ちっとも生臭くならず、ワインがコハダの旨味をきれいに引き出してくれたね。」

――ところで柳さんが好きな鮨ネタって何ですか?

柳「玉子焼きかな。」

――お子ちゃまなんですね(汗)。

たとえば、こんな1本
「レトワール・ヴァン・ブラン2014 ドメーヌ・ド・モンブルジョー」

フランス東部のジュラ地方には、目減りしても補酒せず、フロールと呼ばれる酵母の膜が表面に張った状態で樽熟成させるワインがある。これはシャルドネを2年間、酸化的に樽熟成させたもの。複雑なアロマが醸し出され、味わいも独特だが、慣れると病みつきに。

¥3,800(税別)/横浜君嶋屋 TEL:045-251-6880


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える

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