あなたは、わたしのもの Vol.12

「私の一部を、あなたにあげる」既婚男にまとわりつく過去の女。彼女が送った、得体の知れぬ小包の中身

女の人の価値は、美しさだけではない。

どれほど純粋に自分を愛してくれるかだ…そんな風に思っていました。

でも、あの女のおかげで僕はやっと気がついたんです。

異常なほどの愛情が、女の人を、そして関わる人間の人生すらを壊してしまうってこと、

純粋な愛情は行き過ぎると執着に変わり、執着は憎しみへと変貌を遂げるってことを…

少し長いけれど、どうか僕の話を、聞いてください―

堂島ユウキの目の前に突如現れた黒髪の美女・ひとみ。出会ったその日に一夜を共にするが、彼女の異常性に気がつき、女友達の雅子の力を借りてついにひとみと決別、ユウキは雅子と結婚した。

大学時代からの想いを成就させた雅子は妊娠し、一見平和が戻ってきたかのように見えたが、ある日新居にひとみからの謎の小包が届く。


「ですから、何度も言うように、うちではもうお受けできませんって」

「でも、あの…」

ガチャッ。

通話はぶつりと途切れ、ホテルの部屋にはシンとした静寂が広がる。

なんなの…?

せっかくの完璧な計画なのに、それを実行してくれる人がいなくなってしまうなんて困る。

わたしは応答のなくなったスマホを握りしめ、途方にくれた。

この業者の助けなしで、どうやってユウキくんを取り戻せばいいのだろう。

でも大丈夫、と、わたしは深呼吸した。

最近大切にしている、大好きな言葉を思い出す。ピンチはチャンス。

絶体絶命に見える状況にも、どこかに必ず解決の糸口があるはず、と思わせてくれるステキな言葉。

業者の力を借りなくたって、ユウキくんを取り戻す方法はきっとある。

少し頭のチャンネルを変えて、可能性に目を向けてみればいい。

どうすればユウキくんはわたしにもう一度会ってくれるんだろう?

彼の立場になって。彼の気持ちになって…。

そうすれば、必ずヒントが見えてくる筈だから。

そうよ。

こんなにも四六時中ユウキくんのことを考えているわたしだもの、こんな業者よりも、よっぽど彼の心がわかるに決まってるじゃないの。


そしてわたしは、とっても良いアイディアを思いついて、ハサミを手に取った。

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